「優秀な部下が、データの入力や書類作成といった作業に追われている」「残業を減らすよう指示はしているものの、根本的な業務量が減らずに困っている」
このような「現場の悩み」に直面している人事担当者も多いのではないでしょうか。その背景には、慢性的な人手不足や、古いシステムにより業務が属人化してしまうといった、多くの企業が直面している構造的な課題が潜んでいます。
本記事では、単なる「作業の効率化」で終わらせないための、実践的な4つのステップを解説します。コスト削減と従業員満足度を両立させ、限られた人材を「本当にやるべき仕事(コア業務)」に集中させるための、具体的な手法と成功事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事で分かること
- 業務効率化とは、限られた時間や人材を付加価値の高い業務へ振り向ける取り組み
- 業務効率化により、コスト削減や生産性・従業員満足度の向上などが期待できる
- 業務効率化は、現状把握・優先順位付け・施策の実行・効果測定の4ステップで進める
- 業務効率化には、自動化やアウトソーシング、ECRS、ペーパーレス化などの方法がある
- RPAやビジネスチャット、CRM・SFA、生成AIなどのツールが業務効率化に役立つ
業務効率化とは?いま日本企業が直面する課題と求められる変革

まずは、業務効率化の本質的な意味と、それが「改善」から「戦略」へと変化した背景を確認しておきましょう。
業務効率化とは?
業務効率化とは、単にコストを削減したり、作業時間を短縮したりすることではなく、「限られた時間と人材を、より価値の高い仕事に振り向けるための仕組みづくり」です。その最終的な目的は、従業員一人ひとりが持つ能力や経験を最大限に発揮できる状態をつくること、すなわち「人的資本の最大化」にあります。
ルーチンワークや定型業務から解放されることで、従業員は「本来やるべきだった仕事」や、新しいアイデアを生み出す「創造的な仕事」に時間とエネルギーを注げるようになります。こうしたイノベーションの創出こそが、企業の持続的な成長につながる最も大切な道筋です。
日本の労働生産性の現実と国際競争力の低下
公益財団法人日本生産性本部の「労働生産性の国際比較2025」によると、2024年の日本の時間当たり労働生産性はOECD加盟38カ国中28位でした。また、実質ベースの労働生産性上昇率は前年比-0.6%となっています。
これは単なる国際順位の問題ではありません。現場の長時間労働につながったり、企業の利益が圧迫されて給与が上がりにくくなったりする、多くの企業が抱える問題でもあります。
人口減少が進み、さまざまな業種で人手不足が深刻化するなか、限られた人材で生産性を高めることは企業にとって重要な課題です。生成AIをはじめとしたデジタル技術も活用しながら従来の業務を見直し、より効率的な業務プロセスへ改善していくことが求められています。
レガシーシステムの複雑化による業務負担の増加
多くの企業では、長年にわたって使われてきた古いITシステム(レガシーシステム)が複雑化し、維持管理だけでIT予算の多くが消えてしまう状況が続いています。本来であれば、DX推進や新しいサービスの開発といった「攻めのIT投資」に回すべき予算や人材が、古いシステムの延命対応に取られてしまっているのが現実です。
このまま改善が進まなければ、変化の早い市場で競争力を保つのが難しくなり、組織全体の成長スピードにも影響しかねません。レガシーシステムをどう最適化し、未来へ向けた投資へシフトできるかは、企業の持続的成長に直結する課題です。
業務効率化がもたらす5つのメリット

業務効率化を進めることで、企業には多くのメリットが生まれます。ここでは5つの具体的なメリットを紹介します。
コスト削減:人件費・外注費・残業代を同時に削減
業務プロセス全体を見直すことで、まず目に見えて現れるのがコスト削減の効果です。例えば、これまで当たり前だった作業の手順がスリム化されれば不要な残業が減り、残業代を直接的に抑えることができます。
また、業務の「ムラ」や「ムダ」が特定されることで、これまでなんとなく外部に委託していた業務を見直し外注費を減らすきっかけにもなるでしょう。このように、業務効率化は人件費や外注費といった複数のコストを同時に削減できる好循環が期待できます。
業務のスピードアップ:承認や報告フローの自動化
日々の業務の中で、意外と時間を取られているのが、稟議書の承認や日々の報告といった「待ち時間」です。紙の書類が複数の部署を回っている間に、大切なビジネスチャンスを逃してしまっているかもしれません。
こうした承認や報告のフローを、ワークフローシステムなどでデジタル化するだけでも、意思決定のスピードは格段に上がります。お客様への対応も迅速になり、社内の停滞感が解消されることで、ビジネス全体がスムーズに回り始めます。
従業員満足度の向上:仕事の「ムダ疲れ」を減らす
「このデータ、さっきも別のシートに入力した気がする」 「必要な書類を探すだけで午前中が終わってしまった」——こうした「仕事のムダ疲れ」は、従業員のモチベーションを大きく低下させてしまいがちです。
業務効率化によって、このような二度手間やムダな検索時間がなくなると、従業員はストレスなく本来の業務に集中できます。自分の能力をしっかりと発揮できる環境が整うことで、仕事へのやりがいや従業員満足度が自然と高まる効果も期待できます。
離職率の低下:定型業務の削減が心理的余裕を生む
従業員満足度の向上とも深く関連しますが、特に意欲の高い従業員にとって、単純な定型業務ばかりが続くと、キャリアへの不安や「この会社で成長できるのか」という不満につながりやすくなります。これが、早期離職の一因となることも少なくありません。
定型業務を自動化したり、アウトソーシングで手放したりすることで、従業員はより付加価値の高い仕事や、新しいプロジェクトに挑戦する「心理的な余裕」が生まれます。この余裕が、会社への信頼感の向上や、優秀な人材の定着につながります。
顧客満足度の向上:フロント業務へ時間を再配分
業務効率化は、社内だけでなく、社外、つまりお客様にも良い影響を与えます。例えば、バックオフィス(事務処理)の時間が短縮されれば、その分のリソースを営業やサポートなどお客様と直接関わる「フロント業務」に再配分できます。
お客様一人ひとりの課題にじっくりと向き合う時間が増えることで、より丁寧な対応や、一歩踏み込んだ提案ができるようになるのがメリットです。結果として、サービスの品質が向上し、「顧客満足度が高まる」という企業にとって望ましい好循環が生まれます。
【4ステップ】企業変革を成功に導く業務効率化の進め方

業務効率化を一過性の取り組みで終わらせないためには、体系的なアプローチが有効です。ここでは、着実に成果を出すための実践的な4ステップを紹介します。
STEP01 現状把握と課題の可視化‐ムダを「見える化」する
効率化の第一歩は、まず「何にどれだけ時間がかかっているか」を正確に知ることから始めます。多くの現場では、長年の勘や経験則で業務が回っており、担当者自身も気づいていない「無意識のムダ」が潜んでいることが少なくありません。
まずは業務フローを書き出し、各作業の担当者、所要時間、発生頻度などを客観的に「見える化」することが効果的です。これにより、どこに時間がかかっているのか(ボトルネック)や、どの業務が属人化しているのか、といった課題がはっきりと見えてきます。
STEP02 優先順位付け‐どこから手をつけるか?
Step1で課題が見えてくると、「あれもこれも改善したい」と焦ってしまいがちですが、すべてを同時に進めるのは現実的ではありません。リソースは限られているため、「どこから手をつけるか」という優先順位付けが成功の鍵を握ります。
例えば、「改善による効果の大きさ(インパクト)」と「実行のしやすさ(難易度)」の2つの軸で、洗い出した課題を整理するのがおすすめです。まずは「効果が大きく、かつ実行しやすい」領域から着手することで、早期に成功体験を積むことができ、次のステップへの弾みになります。
STEP03 自動化・アウトソーシング‐AIやBPOの活用
優先順位が決まったら、いよいよ具体的な実行に移します。このとき、単に「社内のやり方を変える」だけでなく、AIや外部サービスといった「新しい選択肢」を柔軟に取り入れる視点が大切です。
特に、定型的な業務や専門性が高い業務は、社内だけで抱え込む必要はありません。AIやRPA(ロボットによる業務自動化)を活用して作業そのものを「自動化」したり、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスを利用して業務プロセスごと「外部に委託」したりすることを検討しましょう。
そうすることで、従業員はより付加価値の高いコア業務に集中できる環境が整います。
STEP04 効果測定と改善‐PDCAで継続的に進化
業務効率化は「実行して終わり」ではありません。施策を実行した後、必ず「どれくらいの効果が出たのか」を具体的に測定することが大切です。例えば、残業時間がどれだけ減ったか、コストがどれだけ削減できたか、従業員の満足度に変化はあったか、などを評価します。
もし予想通りの効果が出ていなければ、その原因を探り、次の改善策を考えましょう。改善点を見つけては見直しを重ねることで、組織の中に習慣として根づき、日々進化し続ける取り組みに変わっていきます。
目的別・業務効率化の実践手法とアイデア

業務効率化を進める方法は、自社内の業務プロセスを見直すだけではありません。
ここでは、企業が取り組みやすい業務効率化の代表的な方法・アイデアを紹介します。
プロセス自動化(定型業務の削減)
データ入力やレポートの作成、定型的なメールの送信など、毎日繰り返している作業を自動化することも、業務効率化の方法の一つです。
自動化できる業務を切り分けることで、従業員の作業時間を削減し、企画や分析、判断が必要な業務などに時間を充てやすくなります。
情報共有の効率化(コミュニケーションの円滑化)
「あの資料はどこにあるのか」「あの案件はどこまで進んでいるのか」といった確認に時間がかかっている場合は、社内の情報共有方法を見直すことが重要です。
部署やプロジェクトごとに情報の共有場所や管理方法を統一し、必要な情報を従業員が確認しやすい環境を整えます。情報を探す時間や個別の確認作業を減らすことで、コミュニケーションを円滑にし、チーム全体の業務を進めやすくなります。
営業生産性向上(属人化解消)
営業部門では、顧客情報や商談の進捗、過去の対応履歴などが特定の担当者だけに蓄積されると、業務が「属人化」しやすくなります。これでは、担当者が不在の際の対応遅れや、組織としての営業戦略が立てにくいといった課題が生まれます。
そこで、顧客情報や営業活動を整理し、チーム内で共有できる仕組みを整えることが重要です。担当者以外でも必要な情報を把握できる状態にすることで、不在時の対応や引き継ぎをスムーズにし、営業活動の効率化につなげられます。
戦略的アウトソーシング(BTM/BPOによるコア業務への集中)
自社のリソースを、より重要度の高い「コア業務」に集中させるため、それ以外の業務を外部の専門企業に委託するアウトソーシングも、業務効率化の有効な戦略です。
例えば、出張の手配から申請・承認、経費精算までを一括管理するBTM(Business Travel Management/出張管理)を活用して専門企業に委託したり、人事・経理・総務などの一部業務をBPOとして外部に委託したりする方法があります。
アウトソーシングによって社内の業務負担を軽減できれば、従業員は企画や顧客対応など、より付加価値の高いコア業務に集中しやすくなります。また、委託先が持つ専門的な知識やノウハウを活用できる点もメリットです。
ECRSを活用して業務プロセスを見直す
業務プロセスそのものを見直す際には、「ECRS(イクルス)」と呼ばれるフレームワークが役立ちます。ECRSとは、業務改善を次の4つの視点から検討する考え方です。
- Eliminate:業務や工程をなくせないか
- Combine:複数の業務をまとめられないか
- Rearrange:業務の順序や担当を変えられないか
- Simplify:業務をもっと簡単にできないか
まず不要な業務をなくせないかを検討し、そのうえで業務の統合や順序の変更、簡素化を考えることで、既存の業務プロセスを効率的に見直せます。
ツールを導入する前に業務自体を見直すことで、不要な作業をそのままデジタル化してしまうことを防ぎやすくなります。
ペーパーレス化を進める
紙で行っている申請や契約、資料共有などをデジタル化する「ペーパーレス化」も、比較的取り組みやすい業務効率化の方法です。
書類を電子化すれば、印刷や郵送、保管などにかかる作業やコストを削減できます。また、必要な資料を検索しやすくなり、従業員同士での情報共有もスムーズになります。
オンラインストレージや電子契約システムなどを併用すれば、オフィス以外からでも必要な書類を確認しやすくなり、柔軟な働き方にも対応できます。
データベースを一元化する
部署や担当者ごとにデータが分散している場合、必要な情報を探すだけで時間がかかったり、同じ情報を複数のシステムへ入力したりするなど、業務上のムダが生じやすくなります。
顧客情報や売上データ、社内資料などをデータベースで一元管理することで、必要な情報へアクセスしやすくなり、部署間の情報共有もスムーズになります。営業部門ではCRMやSFAを活用することで、顧客情報の一元管理や営業活動の可視化につなげることも可能です。
データを一元化する際は、単に保管場所をまとめるだけでなく、入力ルールや更新方法、アクセス権限なども合わせて整備することが重要です。情報管理のルールを統一することで、データの重複や更新漏れを防ぎ、継続的な業務効率化につなげやすくなります。
業務効率化に役立つおすすめのツール

ここでは、業務効率化に役立つ代表的なツールを紹介します。
RPAツール(Robotic Process Automation)
RPA(Robotic Process Automation)は、パソコン上で行う定型的な作業を自動化するためのツールです。データ入力や転記、集計、定型レポートの作成など、一定のルールに沿って繰り返す業務の効率化に適しています。
RPAツールを活用することで、従業員が手作業で行っていた業務を削減し、企画や分析など、より付加価値の高い業務に時間を充てやすくなります。
ただし、複雑な判断が必要な業務などには適さない場合もあるため、自動化する業務を事前に整理することが重要です。
ビジネスチャットツール(Slack/Teamsなど)
SlackやMicrosoft Teamsなどのビジネスチャットツールは、社内のコミュニケーションや情報共有を効率化するツールです。
個人間のやり取りだけでなく、部署やプロジェクトごとにグループを作成して情報を共有できるため、必要な情報や過去のやり取りを確認しやすくなります。複数人での情報共有やWeb会議などにも活用でき、チーム内の円滑な連携に役立ちます。
CRM・SFAツール(Salesforceなど)
CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援システム)は、顧客情報や営業活動に関するデータを管理するためのツールです。代表的なサービスとしてSalesforceなどがあります。
顧客情報や商談の進捗、過去の対応履歴などを一元管理することで、担当者ごとに情報が分散する状態を防ぎやすくなります。また、営業活動を可視化し、チーム内で情報を共有することで、担当者不在時の対応や営業活動の効率化にもつながります。
オンラインストレージ
オンラインストレージは、インターネット上にファイルやデータを保存・管理できるツールです。アクセス権限を持つ従業員であれば、パソコンやスマートフォンなどから必要なデータへアクセスできます。
社内資料をオンラインストレージに集約することで、ファイルを探す時間の短縮や従業員間の情報共有につながります。ペーパーレス化やテレワークを進める際にも活用しやすいツールです。
ワークフローシステム
ワークフローシステムは、稟議や経費申請など、社内で行われる申請・承認業務をデジタル化するためのツールです。
紙の申請書やメールを使った承認作業をシステム上で行えるようにすることで、申請から承認までの流れを管理しやすくなります。
総務部門などで発生する社内申請手続きをデジタル化することで、従業員の利便性向上や担当者の業務負担軽減にもつながります。
例えば、経費精算業務の効率化には、経費精算システムの活用も有効です。JTBでは、経費の申請・承認などの業務を効率化する「ビズバンスJTB経費精算」を提供しています。
生成AIツール
生成AIツールは、入力された指示や情報をもとに、文章や画像、プログラムコードなどのコンテンツを生成できるツールです。
文章の下書きや要約、アイデア出しなどに活用することで、従業員が手作業で行っていた業務の時間を短縮できる可能性があります。
一方、生成された内容が常に正確とは限らないため、人による確認を前提として利用することが重要です。また、機密情報や個人情報の取り扱いなど、自社の利用ルールを整備したうえで活用する必要があります。
業務効率化の成功事例と導入効果

ここでは、実際に業務効率化に成功した企業の事例を紹介します。各社がどのように課題を乗り越えたのか、具体的な成果を見ていきましょう。
01 年間約5,000件の出張申請・精算をペーパーレス化し業務効率化
学校法人上智学院様では、年間約5,000件の出張申請・精算を紙で運用しており、人事局での申請受付や領収書の確認、旅費計算などに多くの時間と労力を要していました。
そこで「ビズバンスJTB経費精算」を導入し、大学特有の承認ルートや予算管理に対応しながら業務をデジタル化。領収書以外のほとんどの書類を電子化し、保管の手間やコストを削減しました。
さらに、リモートでの精算が可能となり、決裁スピードも向上。担当者に余力が生まれ、出張内容の確認など、より重要な業務に時間を充てられるようになりました。
02 経費精算をデジタル化し、1万人超の従業員の業務負荷を軽減
日本製紙株式会社様では、経費申請時の入力ミスや、経理部門による領収書の再確認などが業務負担となっていました。そこで、従来のオンプレミス型システムから「ビズバンスJTB経費精算」へ刷新。
経費申請フローを見直すとともに、領収書の電子化やモバイルアプリ、コーポレートカード・交通系ICカードとの連携を進めました。その結果、書類の検索性や承認業務の利便性が向上し、経費精算にかかる業務負荷を大幅に軽減。キャッシュレス化や柔軟なワークフローの構築にもつながっています。
03 経費精算をシステム化し、申請・処理時間を大幅に短縮
ゴディバ ジャパン株式会社様では、店舗拡大に伴い経費申請が増加し、紙の申請書やExcelを使った手作業による経費精算が大きな負担となっていました。そこで「ビズバンスJTB経費精算」を導入し、申請・承認から経費精算までをシステム化。
電子ワークフローによりリモートでの申請・承認が可能となり、経理部門の月次処理も従来の7営業日程度から5営業日以内へ短縮しました。さらに、作業方法やルールの統一により担当者同士で業務をフォローできる体制が整い、業務効率化につながっています。
業務効率化で陥りがちな失敗パターンと成功のポイント

業務効率化は、進め方を誤ると期待した成果が出ないこともあります。ここでは、よくある失敗パターンと、それを避けるための対策をご紹介します。
ツールの導入自体を目的にしない
「RPAやチャットツールを導入すれば効率化できるはず」と、新しいツールを導入すること自体が目的になってしまうケースは少なくありません。しかし、現場の業務フローや課題が整理されないままツールを入れても、かえって作業が複雑になったり、使われないまま放置されたりすることがあります。
大切なのは、まず「どの業務の、どの部分を効率化したいのか」という目的を明確にすることです。現状の課題を可視化したうえで、その解決策として最適なツールを選ぶことが失敗を避けるためのポイントです。
現場の意見を取り入れながら進める
経営層や管理職がトップダウンで効率化を指示しても、実際に業務を行う現場の理解や協力が得られないと、施策はうまく進みません。「新しいやり方を覚えるのが面倒」「自分の仕事がなくなるのではないか」といった現場の不安に、寄り添えていないことが原因です。
なぜ効率化が必要なのか、それによって現場の負担がどう減るのか、といった「目的」や「メリット」を丁寧に説明し、現場の声を吸い上げながら進めるマネジメントが欠かせません。小さな成功体験を共有し、現場を巻き込んでいくことが重要です。
部署単位ではなく全社視点で取り組む
各部署が個別に効率化を進めた結果、自分の部署の業務は楽になったものの、そのしわ寄せが他の部署に行ってしまうことがあります。例えば、営業部が入力方法を変えたことで、経理部の作業が逆に増えてしまう、といったケースです。
これは、会社全体としての流れ(プロセス)を見ていない「部分最適」の罠です。部署間の連携を考慮し、会社全体として最も効率的なのはどのような形か、という「全体最適」の視点を持つことが、真の業務効率化には求められます。
継続的に改善できる仕組みをつくる
業務効率化に成功している企業に共通しているのは、一度きりのプロジェクトで終わらせず、「改善し続けること」が組織文化として根付いている点です。時代や市場の変化に合わせて、常により良いやり方がないかを模索し続けています。
例えば、現場から改善提案を吸い上げる仕組みを設けたり、定期的に業務プロセスを見直す機会を持ったりすることが効果的です。PDCAサイクルを回し続けることで、改善活動が止まらない「生きた仕組み」が組織に定着していきます。
まとめ

業務効率化は、単なるコスト削減の手法ではなく、企業の競争力を高め、従業員の満足度を向上させるための重要な「経営戦略」です。限られた人材でより大きな成果を生み出すためには、まず業務の全体像を把握し、改善すべき領域を明確にすることが欠かせません。
そのためには、本記事で紹介したステップに加え、外部の専門性を取り入れることも効果的です。JTBでは、人事・総務・採用のアウトソーシングをはじめ、業務内容やコストの可視化から導入後の運用改善まで幅広く支援しています。自社だけでは手が回らない領域があれば、まずはお気軽にご相談ください。
また、アウトソーシングの活用をご検討の方は、JTBのサポート事業について紹介した以下の資料もぜひご覧ください。
