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企業・団体向け WEBマガジン「#Think Trunk」 ワークエンゲージメントとは?!概要やメリット・測定方法・向上させる方法も紹介

2023.02.17
HR(Human Resources)
人材・組織力強化

ワークエンゲージメントは、ユトレヒト大学のシャウフェリ教授によって定義づけられた概念で「従業員の職場における前向きで健康的なメンタルが継続的に維持されている心理状態」を指します。今、「ワークエンゲージメント」の向上に取り組む企業が増えてきています。ワークエンゲージメントを取り入れる企業が増えてきたのは、企業が今後成長していくにあたって、意識すべき指標として重要視されるようになってきたためです。本記事では、ワークエンゲージメントについて、概要や測定方法、向上させる上でのポイントなどを紹介します。

ワークエンゲージメントの定義

ワークエンゲージメントは、ユトレヒト大学のシャウフェリ教授によって定義づけられた概念で「従業員の職場における前向きで健康的なメンタルが継続的に維持されている心理状態」のことです。このメンタルを構成するものとして「熱意」「没頭」「活力」が挙げられ、これらがどのくらい満たされているのかを割合で示します。

ここでポイントとなるのは、前向きで健康的なメンタルが「継続的」に維持されているかどうかという点です。「昇進した」「大型案件が成約できた」などの成功で一時的に従業員が業務に対しポジティブになることは、ワークエンゲージメントにおいては満たされている状態とは定義づけられません。あくまで、日常の業務全般に対し、どのくらい前向きで健康的な状態なのかを測定することが肝要となります。

ワークエンゲージメントが注目される理由

日本でワークエンゲージメントが注目されている理由として、労働人口の減少と人材の流動化が挙げられます。年々働き手が減少している日本では、特に優秀な人材を確保し定着させることが難しくなってきているのが実情です。

このような状況下では、ワークエンゲージメントの低い企業は従業員が流失する可能性が高くなります。すでに、これまでの社会では考えにくかった「人手不足による倒産」が現実味を帯びてきているため、企業と従業員の関係性はこれまで以上に良好である必要があります。

このような流れを汲んで、企業のみならず社会全体からも「ワークエンゲージメント」が注目されるようになりました。

ワークエンゲージメントを高める重要な3つの要素

ワークエンゲージメントを高める要素には、「熱意」「没頭」「活力」の3つが挙げられます。ここでは、これらの要素について紹介します。

01熱意

熱意とは、業務に強い関心や意欲を持ち、「なぜやらなければならないのか」という疑問に対して答えを明確にして、熱中しながら挑戦する状態であることを指します。熱意は、新製品の開発や、営業販路の新規開拓など、新しい事業活動を行う際に大切な要素です。また、キャリアアップのための資格試験や研修などへの参画にも有益となる要素です。

02没頭

没頭とは、時間の経過を忘れるほど業務にのめりこみ、そのことに対し幸福感を得られており、業務のことを頭から切り離すのが難しい状態を指します。没頭できている従業員は、品質改善や業務を遂行するスピードが向上し、集中力が高まっていることでミスを減らすことができます。

03活力

活力とは、仕事に対してエネルギッシュで前向きに取り組もうとする姿勢があり、心理的な回復速度が速く、困難な課題解消への努力をいとわない状態であることを指します。従業員に活力が満ち溢れていれば、業務を積極的に進めることができます。

ワークエンゲージメントが高まることで得られる企業のメリット

従業員のワークエンゲージメントの向上は、企業にさまざまなメリットをもたらします。ここでは、そのメリットについて紹介します。

メリット01メンタルヘルス対策

従業員が50人以上いる事業所では、2015年12月から、毎年1回、全ての従業員に対してストレスチェックを実施することが義務付けられました。この取り組み自体はよい取り組みですが、ストレスチェックによって、ストレスそのものが低減されるわけではありません。

その点、ワークエンゲージメントの向上を目指すことは、従業員の業務に対するストレスを低減する効果があり、ひいてはメンタルヘルスへの対策につながります。

メリット02従業員の離職率の低減

ワークエンゲージメントの向上は、従業員の企業や業務などへの満足度の向上に寄与します。居心地よく働ける職場を離職しようと考える人は少ないでしょう。それゆえに、従業員の離職率を低減させることが期待でき、長期的な人材育成のプランが構築しやすくなります。

メリット03パフォーマンス(生産性)の向上

従業員の意欲的な姿勢や自己啓発に動くための原動力を生むには、ワークエンゲージメントの向上が欠かせません。これらを土台として、新規事業のアイデアや既存の業務の改善などのパフォーマンスが向上していきます。

また、積極的に業務に対する自己啓発を行う従業員は、役割行動はもちろんのこと、より自発的に業務に取り組むようになるため、さらなるパフォーマンスの向上が期待できます。

ワークエンゲージメントに類似している他の概念とその違い

ワークエンゲージメントと似た概念がいくつか存在します。混同してしまうと、かえって職場での混乱を招きかねません。ここでは、その他の概念とワークエンゲージメントとの違いについて紹介します。

ワークエンゲージメントとワーカホリズム(ワーカホリック)の違い

ワーカホリズム(ワーカホリック)は、仕事の成果や活動内容に対しては、一見するとワークエンゲージメントと大差ないように感じられる状態です。しかし、ワークエンゲージメントとの決定的な違いとしては、ワーカホリズム(ワーカホリック)は、業務に対して本当は意欲がなくネガティブな心理状態に陥っているという点が挙げられます。

それにも関わらず、「やらなければならない」という使命感、責任感で業務に取り組んでいるため、中長期的に見ると心身に支障をきたしやすいのがワーカホリズム(ワーカホリック)の特徴です。

ワークエンゲージメントとバーンアウトの違い

バーンアウトは、いわゆる「燃え尽き症候群」とも呼称されます。精力的、献身的に業務に従事したにもかかわらず、本人が期待していた結果が得られなかった場合に、不満感や喪失感を抱き意欲を失った状態のことを指します。

ワークエンゲージメントが、業務に対してポジティブな考え方を持っているという概念であることから、バーンアウトは対極となる概念とされています。

ワークエンゲージメントを測る方法

ワークエンゲージメントを測定する方法はいくつかあります。ここでは、その方法について紹介します。

MBI-GSを用いた測定方法

MBI-GS(Maslach Burnout Inventory-General Survey)は、ワークエンゲージメントを測る方法のひとつです。ただ、厳密には、ワークエンゲージメントを直接測るわけではなく、バーンアウトを測定することによって、逆説的にワークエンゲージメントを測定する方法です。

疲労感を測る5項目、シニシズム(冷笑的態度)を測る5項目、職務効力感を測る6項目の回答から高低具合を測定し、低ければワークエンゲージメントが高く、高ければワークエンゲージメントが低い(バーンアウトに陥っている)状態となります。

OLBIを用いた測定方法

OLBI(Oldenburg Burnout Inventory)も、MBI-GSと同様に本来はバーンアウトを測定する方法です。「疲弊」と「離脱」というネガティブな2つの要素に関する質問を行うことで、対象者のバーンアウトの度合いを測定します。測定結果が低いほどワークエンゲージメントが高いということになります。

UWESを用いた測定方法

UWES(Utrecht Work Engagement Scale)は、世界中でもっとも広く利用されている「ユトレヒトワークエンゲージメント尺度」のことで、「活力」「没頭」「熱意」に関する17項目の質問でワークエンゲージメントの高低を直接測定する方法です。非営利目的であれば誰でも自由に利用可能であり、日本人の労働者に合わせた日本版UWESや、9つの質問で構成される短縮版UWESも公開されています。

ワークエンゲージメントを高める方法

ワークエンゲージメントを高める方法を把握しておくと、従業員のモチベーションアップに寄与できます。ここでは、その方法について紹介します。

仕事の資源を増やす

「仕事の資源を増やす」というのは、従業員の仕事の負担量を減らし、負担感がもたらす悪影響を緩和し、モチベーションアップを目指すことを指します。仕事に取り組みやすい環境を整えることで、従業員のワークエンゲージメントが高められます。

具体的な方法としては、上司や同僚のサポートを増やす、仕事の裁量権を与える、フィードバックを与える、トレーニングする、多様なミッションを与える、コーチングを行う、などが挙げられます。これまでの研究で、これらが整っていればいるほど、ワークエンゲージメントが高まることが判明しています。

個人の資源を増やす

「個人の資源を増やす」というのは、心理的ストレスを低減するなど、自身の内的要因の悪影響を緩和し、モチベーションアップを目指すことを指します。具体的な内的要因としては、組織内での自己効力感や自尊心、仕事や職場に対する楽観性などが挙げられます。

この個人の資源を増やす方法は、前述した仕事の資源を増やす方法と密接な関係があり、片方が増えればもう片方も増えるといった現象が起きます。

エンゲージメント向上の取り組み事例

ここでは、ワークエンゲージメントを向上させるために行った取り組み事例を紹介します。

01 大手金融機関 様オリジナル種目で7000名をつなぐ!オンライン運動会

大手金融機関様では、毎年全国のエリアごとにさまざまなレクリエーションイベントを行っていましたが、2020年のコロナ禍により中止となってしまいました。そこで、オンラインによるレクリエーションイベントを模索し、実施されたのが「オンライン運動会」でした。

さまざまな世代が楽しめるようなクイズを用意し、社員同士が自然とコミュニケーションを図れる内容にしたことで、事後アンケートでは、7000名の参加者のほとんどが高評価をつけました。

このような施策は、社員のモチベーションアップにつながり、個人の資源を増やすことが期待できます。

■詳細はこちら

オリジナル種目で7000名をつなぐ!オンライン運動会(大手金融機関 様)

02 トヨタ車体株式会社 様“若手社員の想いをカタチに”新システム導入で成功への一歩をお手伝い!

トヨタ車体株式会社様では、年に一度、社内TQM大会(Total Quality Management)を行っていました。2020年度は対面での開催が難しくなってしまったため、ZOOMを用いたオンラインでの開催となりました。

2021年度は、前年度の開催をさらにブラッシュアップし、よりコミュニケーションが取りやすい方式にしたいとのことで、企画から運営まで若手社員が中心となり実施。特に好評だったのが、リアルタイムアンケートシステムの導入です。これにより、参加した社員同士が積極的に参加することができ、モチベーションアップに寄与しました。

■詳細はこちら

“若手社員の想いをカタチに”新システム導入で成功への一歩をお手伝い!(トヨタ車体株式会社 様)

03 株式会社ワークマン 様面談で社員の本音が聞き出せる!?“意識調査”実施体験

これまで、年1回行ってきた社内アンケートを、さらにワークエンゲージメントを向上させるためにさまざまなブラッシュアップを行ったのが株式会社ワークマン様です。まずは、社内アンケートの頻度を年1回から3ヶ月に1回に変更し、社員の心の状態をよりリアルタイムに把握できる体制を整えました。そして、人事面談にも活用できるように、社内フローの見直しにも着手しました。

これらのブラッシュアップにより、社員の仕事や組織などに対する思いや悩み、モチベーションなどを詳細に把握できるようになり、面談がこれまでより本音で語り合えるものとなりました。また、アンケートに回答する社員の意識にも変化が見られ、モチベーションアップやコミュニケーションの活性化も起きています。

■詳細はこちら

面談で社員の本音が聞き出せる!?“意識調査”実施体験(株式会社ワークマン 様)

まとめ

今、「ワークエンゲージメント」の向上に取り組む企業が増えています。ワークエンゲージメントは、「従業員の職場における前向きで健康的なメンタルが継続的に維持されている心理状態」のことです。このメンタルを構成するものとして挙げられるのが「熱意」「没頭」「活力」の3つです。ワークエンゲージメントを取り入れる企業が増えてきたのは、企業が今後成長していくにあたって、意識すべき指標として重要視されるようになってきたためです。

ワークエンゲージメントの向上には、「仕事の資源を増やす」「個人の資源を増やす」という2つの方法があることをお伝えしました。これにより「熱意」「没頭」「活力」の3要素が改善され、ワークエンゲージメントが向上します。ワークエンゲージメントは、アフターコロナにおいて、自社の従業員定着率の向上、永続的な事業の発展のために意識すべき概念です。ぜひ、貴社でも「ワークエンゲージメント」向上への取り組みを進めてみてはいかがでしょうか。

最後に、ワークエンゲージメント向上のために新しい取り組みを実施した5つの事例を動画と資料でご紹介します。ぜひ、ご覧ください。


ホワイトペーパー(お役立ち資料)エンゲージメント向上への取組み ~事例を動画で紹介!~

ニューノーマル時代、多くの企業において、社内外のコミュニケーションの形は確実に変化しています。そのような中で企業を取り巻く関係者とのエンゲージメント強化のために、新しい取り組みを実施した5つの事例を動画と資料でご紹介します。ぜひ、ご覧いただき、貴社の取組みのヒントになさってください。

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