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企業・団体向け WEBマガジン「#Think Trunk」 目的主導のイベント設計と参加者エンゲージメントの深化とは?JTB主催キックオフイベント事例に基づく社内イベントガイド

2024.11.01
ミーティング・イベント
会議・イベント運営
人材・組織力強化
サステナブル

現代のビジネス環境では、社内イベントが従業員エンゲージメントと企業文化の向上に欠かせない役割を果たしています。本記事では、2024年3月23日(土)にJTB主催で開催された社内イベント「All BS kick-off Meeting & BS-AWARD 2023」を題材に、イベント企画・運営に携わった3名の現場社員の話を交えつつ、目的主導のイベント設計と参加者エンゲージメントを深化させる工夫に迫ります。イベントの目的を明確に設定し、参加者の記憶に残るイベントを実施する事が、エンゲージメント向上のカギとなります。記事の最後に、お役立ち資料「目的主導のイベント設計と参加者エンゲージメントの深化とは?」もご用意しています。貴社の社内イベント実施の一助となれば幸いです。

目的主導のイベント設計とは

効果的なイベント設計には、戦略的なアプローチが不可欠です。イベントを通じて組織内の連帯感を醸成し、多様な意見が自由に交わされる環境を促進することが重要です。このような戦略的なイベント設計は、参加者にとって新たな挑戦への動機付けとなり、組織全体としても革新への一歩を踏み出すきっかけとなります。

今回のイベントでは、環境変化への対応を一層強化し、新たに更新される中期利益計画の達成を目指してビジネスソリューション事業本部のメンバーが集まり、戦略を共有し、一致団結して前進することを目的としました。エンゲージメントを強化することをテーマに、第1部では外部環境を再認識し、未来に向けた具体的アクションを創造することに、第2部ではユニット所属社員のモチベーション醸成に、第3部ではユニット所属社員同士のコミュニケーションの強化に焦点を当ててイベントを設計しています。

イベント概要

実施名称 All BS kick-off Meeting&BS-AWARD2023
主催 株式会社JTB ビジネスソリューション事業本部
開催日 2024年3月23日(土)
開催形式 リアル開催&Live配信&オンデマンド視聴
参加者 ビジネスソリューション事業本部所属社員・グループ会社4社社員 計1,773名
場所 パシフィコ横浜
プログラム 第1部 【All BS kickoff Meeting | キックオフ】社会と会社のエンゲージメント
第2部 【BS AWARD 2023 | 表彰式】会社と社員のエンゲージメント
第3部 【Engagement Party | 懇親会】社員と社員のエンゲージメント

さらに、各パートにエンゲージメントの定義を設定し、リング状のロゴで目指すべきエンゲージメントの状態を表現しました。各ロゴは、会場内壁紙やネックストラップなど、各所に掲出しました。

左   :柳井雅史|事業企画担当マネージャー
中央:渡辺亮   |事業推進担当マネージャー
右 :太田悠輝|マーケティング担当リーダー

ここからは、当イベントにおいて実際に工夫したことへフォーカスを当て、イベント担当者から聞いたリアルな声をご紹介します。

参加者エンゲージメントを深化させる工夫①|各担当が絶賛した「座席の配置」

柳井
今回の社内イベントで特に工夫したのは、渡辺が担当した「座席の配置」です。
第1部では部署ごとにしっかりとまとめられ、第3部では異世代間の交流が活発になるように緻密に計算された配置が施されました(例:役員席や通訳が必要な社員の位置等)。
一般的な社内イベントでは、部署ごとや通年成績ごとに座席配置が行われ、イベント開始から終了まで、他部門・異世代間の交流がしづらい配置傾向があります。今回採用された座席配置は、「交流」を生み出すために最適化されたものであり、記憶に残る体験を醸成するきっかけに寄与したと思っています。
渡辺
座席の配置は非常に時間をかけて緻密に計算しました。部署の配置や年代の重なりはもちろん、本部という立場で積極的に一人ひとりとコミュニケーションをしていたからこそできる組み合わせも大いにありました。これは簡単なようでいて上手く機能するかギリギリの世界です。今回は2,000人規模でしたが、1万人でも同じことができるかどうかはわかりません。もっと一人ひとりの特性をきちんと理解すればより効果が期待できると思うので、それは今後の課題です。20人の旅行ツアーで一人ひとりの趣味嗜好を把握するのと同じように、2,000人や10,000人でも同じことができるといいと思います。今回の経験は、根気よく突き詰めることが大事だという学びになりました。

参加者エンゲージメントを深化させる工夫②|他社理解に寄与した「サプライズ表彰」

渡辺
第2部の表彰式は、JTBのBSユニットに所属しているグルーブ会社4社も一緒に実施しました。これによりBSユニット全体への理解を深め、称賛する機会も設けられました。 正直、自社以外の4社の表彰に興味を持ってもらえるか懸念がありましたが、蓋を開けてみれば、多くの参加者から他社の優れたプロジェクトや取り組みについてもっと詳しく知りたいという前向きなフィードバックを受け取りました。これを受けて、今後はWeb上で情報をアップロードし、フォローアップを進めていく予定です。

会社と社員のエンゲージメントを深化させる工夫①|会場転換の間の工夫

社内イベントにおいては、プログラム上のメインコンテンツが重視されがちですが、今回のイベントでは、会場転換の間にも工夫を取り入れました。会場転換のコンテンツを考えるにあたり、つながりや思い出を創出する契機になりえるか、自社と各拠点の接点が感じられるか、事業紹介だけでなく体験を提供できるかという観点を重視しました。

会社と社員のエンゲージメントを深化させる工夫②|参加者とつながる上で重要なDEIBの推進

柳井
日常の業務ではDEIBの理念が浸透していない現状があります。そこで、今回のイベントでは「未来から今をつくる」というテーマをオープニングムービーで30秒間の文字映像で示し、各プレゼンの冒頭で繰り返し強調しました。また、DEIBのシンボルを目立つように表示することで、社員の意識に深く根付かせることを目指しました。これにより、DEIBが各社員にしっかりと認識されたと考えています。
太田
オープニングムービーは3部構成として制作しました。第1部は会社の紹介、第2部はヒトにフォーカス、第3部はダイバーシティの活動です。第1部では、グループ会社4社を含めた5社を映像で紹介し、誰がどこでどのように働いているかを伝えました。第2部では、各会社の職務をひとつピックアップして紹介しました。(ex.イベントプランナーの仕事とは?など)。第3部では、今後の新しい働き方や新しい事業について社員の画像・動画を用いながら紹介しました。結果として、お互いの解像度が上がった状態で各パートを始めることができたと思います。
渡辺
DEIBについては、会社として「言わなきゃいけないから言っているのでは?(建前)」と社員は半信半疑だったと思います。Webにはあるけど、今までフィジカルにそういったメッセージが直接届いていなかったからです。そこで今回は、DEIBに対しての会社の本気の姿勢を見せて、グループとして本当に大事にしていくと、数字の話を差し置いて、しつこいくらいに強調しました。多様な社員が多様に働いている姿を映像でも見せられたことは良かったと思います。

会社と社員のエンゲージメントを深化させる工夫③|サステナビリティに配慮したコンテンツ

DEIBと同様に忘れてはならないのは、サステナビリティに配慮したイベントコンテンツの企画です。造作物のディスプレイにおいては、限りある資材ではなくダンボールを使用し、環境配慮・廃棄物削減の両立を目指しました。また、CO₂ゼロMICE®の取り組み、紙パックのミネラルウォーターの使用など、参加者にポジティブなメッセージを発信し、環境への配慮を示すことで、イベントの価値をさらに高めることができます。

ダンボールを利用した造作物
(協力:コンバートコミュニケーションズ)

JTBが一貫して大切にしているのは素晴らしいメッセージよりも記憶に残る体験

——イベント担当者へ向け、最後にメッセージをお願いします。

柳井
今回のイベントでは、第2部の表彰セクションを例年の1.5~2倍のボリュームに増やし、他のセクションを省略しました。この変更が良い結果をもたらした面もあれば、反省すべき点も見えました。重要なのは、現在スタッフや参加者が感じていることをしっかりと記録に残すことです。間もなく行う参加者アンケートを、形式的なフィードバック集計としてではなく、次回以降のイベントの改善に役立てるための貴重な資料として活用する視点が重要です。
渡辺
今回のイベントを通じて、3つの「E」が大切であると再認識しました。一つ目は「Enjoy」ホストとして最も重要なのは、参加者に楽しんでもらうことです。二つ目は「End-User目線」イベントはホストの視点ではなく、参加者の目線で設計することが重要です。三つ目は「Engagement」イベント設計においては、参加者同士のエンゲージメント(関与・交流)を重視し、どのような人々が互いに関わり合うかを意識して計画を立てることが重要です。
太田
ブースの準備には多くの時間と労力がかかりましたが、来場者に楽しんで帰ってもらうことを最優先にしました。どんなに素晴らしいメッセージを伝えるにしても、エンターテイメント性が欠けていると「記憶に残る一日」にはなり得ないと考えたためです。このため、おもてなしの心を大切にしながら、楽しさと印象深さを提供することが重要だと思います。

まとめ

JTBがイベント企画で重視しているのは、印象深い体験を提供することです。それらの体験を実現するためには、今回ご紹介した工夫だけでなく、自社を見つめ直し、自社に合ったコンテンツを作り出していくことが重要です。JTBは、素晴らしいメッセージを伝える以上に、参加者の記憶に深く刻まれる体験の創出を目指すと同時に、同じような思いで社内イベントを運営されるご担当者様と一緒にイベントを作り上げていきたいと考えています。


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