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企業・団体向け WEBマガジン「#Think Trunk」 展示会出展を成功させる実践ガイド|目標設定で変わる「商談を生む」ための全プロセス

2025.12.24
ミーティング&イベント
会議・イベント運営
売上拡大・販売促進

「多額の予算を投じたのに成果が見えない」「名刺は集まったのに商談につながらない」。展示会出展には、このような「成果のブラックボックス化」という課題がつきものです。

本記事では、展示会を「商談を生む場」へ転換するために必要な、目標設計・準備・当日運営・事後フォローまでの実践プロセスを体系化して解説します。

売上から逆算したKGI・KPI設定や、リードの質を高めるヒアリング、フォローアップ体制までを一気通貫で整理。成果を最大化するためのポイントをわかりやすくまとめていますので、ぜひご参考にしてください。

目次を表示(編集禁止)

展示会出展とは?その役割とビジネス価値

まずは、展示会出展の基本的な定義と、BtoBビジネスにおける戦略的な価値について確認していきましょう。

展示会の定義と日本市場の現状

展示会とは、特定テーマや業界の企業が自社の製品・サービスを展示し、商談・情報交換を行うビジネスイベントです。日本でも年間を通じて数多く開催されており、その市場規模は大きく、業界を横断する重要な商談機会となっています。

近年は対面型を中心に、オンライン展示会や両者を組み合わせたハイブリッド型も増加しています。業界特化の専門展も多く、どの展示会に出展するかによって出会える顧客層が大きく変わります。まずは「どの市場で、どんな来場者に会える場なのか」を正しく把握することが出展成功の前提となります。

BtoB企業が展示会に出展するビジネス価値

デジタル施策だけではつかみきれない「実在する顧客像」に触れられることこそ、展示会の最大の価値です。オンラインでは見えにくい顧客の本音や温度感が、対面での表情や質問の仕方からはっきりと伝わってきます。

また、既存顧客が「いま何に困っているのか」「どの製品に興味を示すのか」を直接把握できるため、アップセルの兆しを早期に掴めるのもメリットです。さらに、競合のメッセージや来場者の動き、市場の変化などを一度に観察できる「生きた市場調査」の場でもあります。

単なる集客イベントではなく、顧客理解・関係深化・市場把握を同時に実現することで、戦略チャネルとしての価値を発揮します。

「成果が出ない」と誤解される理由とその構造

「展示会に出展しても、かけたコストに見合う成果が出ない」と感じてしまう背景には、成果が「ブラックボックス化」しやすいという構造的な問題があります。名刺獲得枚数だけを追いかけ、その後の商談化率や受注率までを正確に測定できていないケースが少なくありません。

しかし、これは展示会そのものに意味がないのではなく、成果を可視化する仕組みが不足していることが原因です。データに基づいた効果測定と、目標達成から逆算した戦略的なアプローチを導入することで、展示会は「コスト」ではなく、予測可能な「投資」へと変わります。

展示会を「投資」に変えるための視点

展示会を「コストのかかるイベント」から「リターンを生む投資」に変える鍵は、最初に「目的と指標」を定義することです。出展目的(新規顧客獲得、既存顧客の深耕、認知向上など)を整理し、売上や商談数から逆算したKGI・KPIを設定することで、何をもって成功とするのかが明確になります。

目的と指標が定まると、展示会の準備や当日の対応、事後フォローまでの一連のプロセスが一本の線でつながり、成果を可視化できるようになります。次章では、この「成果を見える化するための目標設計」のやり方を、具体的に解説していきます。

展示会の成果を見える化する目標設定

曖昧な目標設定から脱却し、展示会を収益創出の予測可能なチャネルとして管理するための科学的アプローチを紹介します。経営層も納得する定量的な目標管理手法を確立しましょう。

KGI(重要目標達成指標)の設定方法

展示会の成果を見える化するには、まず最終的なゴールとなるKGIを決めることが欠かせません。KGIとは、出展によって最終的にどれだけ事業成果に貢献したいのかを示す指標です。「新規顧客の獲得」が目的なら、「展示会経由の売上●●円」や「契約件数●件」など、経営層が重視する数値と必ず結びつけることが重要です。

KGIが定まると、出展の意義が社内で共有され、「何のために名刺を集めるのか」が明確になります。感覚的に「とにかくたくさん集める」のではなく、事業目標から逆算したゴールを置くことが、成果につながる目標設計の第一歩です。

成果から逆算するKPI(重要業績評価指標)のつくり方

KGIという大きなゴールを達成するには、その途中に必要なプロセスを細かく分解し、行動レベルに落とし込むことが必要です。これがKPIで、例えば「年間売上5,000万円」というKGIを置いた場合、「必要な契約件数→商談数→リード数」というように、逆算しながら必要な数値を整理します。

さらに、商談化率や成約率などプロセスごとの「率」もKPIとして設定します。こうしてKGIをツリー状に分解していくことで、「当日の名刺獲得目標は何枚か」「商談化率はいくつ必要か」など、各部門が追うべき中間指標が明確になり、成果に向けた行動を具体化できます。

目的別に変わるKGI・KPIの設定例

展示会の成果指標は、出展目的によって大きく変わります。たとえば「新規リード獲得」が目的であれば、KGIは「新規契約件数」や「展示会経由の売上」で設定し、KPIは「名刺獲得数」「商談化率」など、獲得~商談化に関わる指標が中心になります。

一方で「既存顧客の深耕」が目的の場合、KGIは「アップセル・クロスセルの売上」、KPIは「既存顧客の来場数」「個別相談会の実施数」などが適切です。目的に合わせてKGIとKPIを切り替えることで、成果につながる指標設計ができ、準備~当日の動きも一気に明確になります。

展示会出展 準備ロードマップ|成果は準備で8割決まる

展示会の成果は、当日までの準備でほとんど決まると言っても過言ではありません。 ここでは、最終的な目標達成(KGI)に向けた準備の進め方を、一般的なスケジュールに沿ってご紹介します。

1年~6ヶ月前:出展目的の明確化と展示会選定

展示会出展の準備は、一般的に開催の1年~6ヶ月前頃から始まります。まずは「なぜ展示会に出展するのか」という目的を明確にすることがスタートラインです。目的が「新規顧客の獲得」なのか、「既存顧客との関係性強化」なのかによって、選ぶべき展示会も変わってきます。

目的が定まったら、それを達成できる展示会を選定します。展示会のテーマや来場者の傾向を把握し、自社のターゲット層と合致しているかを見極めましょう。この段階で、出展にかかる費用と見込まれる成果を試算し、投資対効果の事前予測を立てておくと、その後の判断がスムーズです。

6ヶ月前:出展申し込みとメッセージ設計

出展する展示会が決まったら、6ヶ月前頃を目安に出展申し込みを行います。人気の展示会や集客しやすいブース位置は早めに埋まってしまうため、候補が確定したら速やかに動くのが安心です。

申し込みと並行して、出展の基本戦略を固めていきます。まずはターゲットとなる顧客(ペルソナ)が抱えている課題を整理し、自社のサービスがその課題をどう解決できるかを一言で伝える「中心メッセージ」を決めましょう。これがブース設計や訴求内容の軸となり、後の判断がぶれにくくなります。

5ヶ月~2ヶ月前:ブース設計とパートナー会社選定

ブースは、単なる「展示スペース」ではなく、来場者の行動を誘導し、目標達成に貢献する「戦略的な空間」として設計します。ターゲットの目を引き、自然と立ち寄りたくなるような動線やデザインを考えることが大切です。

ブース設営を依頼する協力会社選びも重要なポイントです。単にデザインや設営作業を代行する「設営業者」ではなく、出展目的や設定した目標(KGI)を共有し、達成に向けて共に走ってくれる「戦略的パートナー」としての視点で選びましょう。

2ヶ月~1ヶ月前:集客戦略と事前プロモーション

どれだけ素晴らしいブースを設計しても、ターゲットとする来場者がブースを訪問してくれなければ成果にはつながりません。ターゲットに「響く」コンセプトを設計し、質の高い来場者を惹きつけるための集客プランを考えることが重要です。

具体的には、既存顧客や見込み客リストへの招待状(メールやDM)送付、自社WebサイトやSNSでの告知、出展者向けのプレスリリース配信などが挙げられます。展示会当日に向けて期待感を高め、「あのブースには行ってみたい」と思ってもらえるような事前プロモーションを意識的に進めていきましょう。

1ヶ月前~2週間前:運営体制構築とスタッフトレーニング

展示会当日の動きをスムーズにするため、この時期は運営体制の最終調整を進めます。受付・誘導・デモ担当・商談担当など、スタッフそれぞれの役割をはっきりさせ、当日の導線とオペレーションを共有しておくことが大切です。誰がどのタイミングで動くのかを決めておくと、現場での混乱を防げます。

併せて重要なのが、リードの「質」を見極めるためのスタッフトレーニングです。特に「BANT条件」(予算・決裁権・ニーズ・導入時期)を自然な会話の流れでヒアリングできるよう、ロールプレイングを重ねておきましょう。全員が同じ基準でリードを評価できるよう、簡単なヒアリングシートを用意しておくと安心です。

当日~1週間前:最終チェック

展示会が近づいてきたら、当日に向けた最終確認を行います。運営マニュアルやトークスクリプトの最新版をスタッフ全員で共有し、認識をそろえておくことが重要です。搬入物のリストを見ながら備品や資料を一つずつ確認し、実演デモがある場合は必ずリハーサルを行いましょう。

また、機材トラブルや急な欠席など、不測の事態に備えた対応フローを決めておくと安心です。誰が代わりに動くのか、どの順番で対応するのかを決めておくことで、当日に慌てずスムーズに運営できます。

展示会当日|来場者を惹きつけ、質の高いリードを獲得するためにできる工夫

展示会は、当日にどれだけ「質の高いリード」を獲得できるかが成否を大きく左右します。ここでは、来場者が足を止めたくなるブースづくりや、会話の中でニーズを引き出すための工夫など、当日に成果を最大化するための実践ポイントを整理して紹介します。

来場者が思わず足を止めるブースをつくる

会場には多くのブースが並ぶため、まずは来場者の視線と足を止めてもらう仕掛けが欠かせません。ポイントは「直感的に分かる」「一瞬で伝わる」情報を前面に出すことです。展示会では来場者が短時間で多くの情報に触れるため、判断の基準が「直感」に寄りやすく、複雑な説明よりも「パッと理解できる訴求」が効果を発揮します。

例えば、「導入企業数2,500社突破」などの具体的な数字は、実績の強さを瞬時に伝えられる有効な表現です。また、人は最初に受け取った情報を記憶しやすい傾向があるため、ブース前のパネルやミニセミナーの冒頭で、最も伝えたいメッセージをしっかり打ち出すことも効果的です。短い時間の中で「分かりやすさ」「安心感」「興味」の3つをどう作るかが、足を止めてもらう鍵になります。

BANTを使ってリードの質をその場で見極める

ブースに立ち寄った来場者と名刺交換する際、ただ枚数を集めるだけでは成果に直結しません。準備段階でトレーニングした「BANT条件」を会話の中で自然にヒアリングし、その場でリードの質を見極めることが重要になります。

BANTとは、Budget(予算)、Authority(決裁権)、Needs(ニーズ)、Timeline(導入時期)の頭文字を取ったものです。これらを無理なく聞き出すために、事前に質問例を用意しておくと会話がスムーズになります。ヒアリングした内容を基に、リードを「ホット(今すぐ客)」「ウォーム(そのうち客)」「コールド(まだまだ客)」へ分類し、名刺や管理システムへ即時に記録しておくことで、展示会後のフォロー効率が一気に上がります。

「返報性の原理」を応用して情報を集める

来場者からBANT条件のような深い情報を引き出すには、心理的なアプローチも有効です。「返報性の原理」とは、人は何かを受け取ると「お返しをしたい」と感じる傾向があるというものです。この原理を活かし、まずはこちらから来場者にとって役立つ情報を惜しまず提供します。業界の最新トレンドや、よくある課題へのヒントなど、「相手が持ち帰れる価値」を先に渡すイメージです。

単なる製品説明やノベルティ配布だけでなく、「この人は自分の役に立つ情報をくれる」という印象をつくることで、信頼の土台が生まれます。その結果、来場者も自然と自分の状況や課題を話してくれるようになり、BANT条件を含む深いニーズを引き出しやすくなります。

当日の数値を見ながらその場で改善する

展示会は数日間にわたって開催されることが多いため、初日や2日目の状況を分析し、即座に改善(PDCA)を行うことが成果の最大化につながります。当日のブース訪問者数、名刺獲得数、ホットリードの件数などの数値をリアルタイムで把握できる仕組みを整えておきましょう。

例えば、「午前中はブース前での呼び込みを強化したが、思ったよりリードの質が低い」と分かれば、「午後はミニセミナーの回数を増やし、ニーズが顕在化している層に絞ってアプローチしよう」といった軌道修正ができます。データを基に、その場で改善策を実行していく体制づくりがおすすめです。

競合ブースを見て次の改善点を見つける

展示会は、自社をアピールする場であると同時に、競合他社の動向を調査する絶好の機会でもあります。準備段階で立てた計画に基づき、休憩時間などを利用して競合ブースを視察しましょう。

競合がどのような展示内容やキャッチコピーを打ち出しているか、どのような集客手法をとっているか、スタッフが顧客とどのような会話をしているかを観察します。自社と比較して優れている点、劣っている点を分析し、自社の差別化ポイントを再確認したり、次回のブース設計のヒントにしたりと、現場でしか得られない情報を積極的に収集しましょう。

行動経済学をベースに来場者行動を設計する

来場者の行動は、直感的な判断や無意識の選択に左右されやすく、行動経済学の知見は展示会運営との相性が非常に良い分野です。今回ご紹介した「足を止めるブース設計」「返報性を生かした会話づくり」といったアプローチも、その考え方にもとづくものです。

こうした心理的メカニズムを踏まえた運営は、限られた接点の中でも商談化率を高める有効な方法で、JTBでも注力しているテーマのひとつです。

行動経済学を取り入れたイベント設計の具体的な考え方については、こちらの記事もあわせてご覧ください。

展示会後のフォローアップで成約率をUPする仕組み

展示会は、終わってからが本当のスタートです。獲得したリードを「ただの紙の山」で終わらせず、確実な商談・受注につなげるための、フォローアップの仕組みづくりをご紹介します。

マーケと営業が迷わない引き継ぎルールをつくる

展示会後のよくある失敗が、「マーケティング部門が渡したリードに、営業部門が対応してくれない」あるいは「営業部門から『質の悪いリードばかりだ』と不満が出る」といった部門間の連携ミスです。これを防ぐために、SLA(Service Level Agreement)、すなわち部門間の引き継ぎルールを設計します。

SLAでは、「ホットリードは●営業日以内に必ず架電する」「ウォームリードはマーケティング部門がMAで育成する」といった具体的な責任範囲と対応期限を明文化します。双方が納得するルールを事前に決めておくことで、貴重なリードの取りこぼしを防ぎ、その価値を最大化できます。

リードに優先順位をつけてアプローチを最適化する

獲得したすべてのリードに、同じ熱量で同時にアプローチするのは非効率です。そこで、展示会当日のヒアリングで得たBANT条件や、その後のメール開封、Webサイト訪問などの行動履歴に基づき、リードに点数を付ける「リードスコアリング」を行います。

このスコアリングによって、「今すぐ商談すべきホットリード」が可視化されます。営業部門は、スコアの高いリードから優先的にアプローチすることで、効率的に商談を進めることができます。マーケティング部門は、スコアがまだ低いリードに対して、次のナーチャリング施策を計画します。

MAでリードを育て、商談につながる接点をつくる

展示会直後はまだ検討度が低かったリードも、適切な情報提供を続けることで、将来的に優良な顧客になる可能性を秘めています。このような中長期的なフォローアップには、MA(マーケティングオートメーション)ツールの活用が効果的です。

例えば、展示会で得たリードの興味関心の度合いに応じて、メール配信やお役立ちコンテンツの提供を自動化します。導入意向が未定だった方にも、継続的にコミュニケーションを取ることで購買意欲を高めれば、「ベストなタイミング」で営業部門に引き継ぐ仕組みが整います。

展示会を数字と事例で振り返り、次回につなげる

展示会の一連の活動が終了したら、必ず振り返りを行い、効果検証レポートを作成します。これは、「次回の出展予算を獲得できるか」を判断する、経営層への重要な報告資料となります。

レポートには、設定したKGIの達成度や、かかった費用に対するROI(投資利益率)といった定量的な成果をまとめます。さらに、「ブース設計は適切だったか」「当日のオペレーションに問題はなかったか」といった定性的な成果も整理し、次回の出展に向けた具体的な改善提案まで盛り込むことが大切です。

【成功事例】目的達成につながるブース設計・運営の実践例

ここでは、実際に成果を上げた2つの事例を紹介します。空間設計やメッセージづくり、運営プロセスがどのように成果創出に寄与したのかを確認していきましょう。

01 AGC株式会社 様来場者の体験価値を高め、リード数4倍を達成

ガラスメーカー大手のAGC株式会社様は、店舗総合見本市「JAPAN SHOP 2024」への出展にあたり、JTBとともにブース企画~運営までを一括で実施しました。

テーマとした「Move the heart~人のココロを動かす“空間価値”を提供する~」を実現するために、従来の木工ブースから、ガラスを枠にはめ込むシステム構造へ変更することをご提案。展示商品の低反射ガラスの魅力を伝えるため、ショーケース内にマネキンと衣装を配置し、実際の利用シーンを体感できる演出を行いました。視認性と理解度が向上し、多くの来場者の興味を惹きつける展示となりました。

また、施工会社・デザイナー・運営スタッフを含む「制作チーム」を早期に結成し、課題共有とスピーディーな意思決定を実現。展示商品の見え方に合わせたゾーニングや、入りやすい導線設計を追求した結果、当初想定の約4倍にあたるリード獲得に成功しました。

02 JTB行動経済学にもとづく設計で来場者の行動を意図的にデザイン

JTBは「第12回イベント総合EXPO」に出展し、行動経済学を基盤にしたブース企画~運営を実施しました。来場者が直感的に判断しやすいよう、「イベント取扱実績年間10,000件突破!」といった数字訴求のキャッチコピーを前面に掲出。瞬時に「信頼性」「実績」を伝えられる設計とし、足を止めてもらう効果を高めました。

さらに、記憶に残りやすい「初頭効果」を活かしたミニセミナーをブース内で実施し、ブランドメッセージを冒頭で強く印象づける構成に。パネル配置や情報量も最適化し、来場者が自然と理解しやすい導線と体験を設計しました。

会期後は、関心度に応じてリードを分類し、個別提案やナーチャリングを実施。行動経済学を取り入れた一連の取り組みにより、質の高い接点創出と商談化につながるフォロー体制を構築することに成功しています。

展示会出展を支援するパートナー選びのポイント

展示会出展の成果を最大化するためには、外部リソースの活用も有効な手段です。しかし、パートナー選びを誤ると、単なる作業代行で終わってしまいます。戦略的価値を提供してくれるパートナーの見極め方をご紹介します。

成果にコミットできるパートナーかを見極める

ブース設営や運営を依頼する際、単なる「設営業者」と「戦略的パートナー」とでは、得られる成果が大きく異なります。戦略的パートナーは、見た目のデザインだけでなく、設定したKGI・KPIの達成にコミットしてくれるのが特徴です。

選定時には、過去の実績はもちろん、データ分析能力や、展示会後のフォローアップまで見据えた改善提案力があるかどうかも評価基準になります。出展目的を深く理解し、同じゴールを目指してくれる姿勢があるかを見極めることが大切です。

ワンストップで任せられるパートナーを選ぶ

展示会は、企画・ブース設計・集客・当日の運営・事後分析まで、多くの業務が並行して進みます。これらを別々に外注すると、調整負荷が増えたり、情報が分断されて成果に影響が出ることもあります。そこで力を発揮するのが、準備から振り返りまでを一貫して任せられるワンストップのパートナーです。

ワンストップで依頼する価値は、すべての工程が「同じ意図でつながる」ことにあります。ターゲット設定やメッセージ設計の方向性を踏まえて、ブースづくり・集客・当日の運営・事後の分析までが最適化され、担当者の負担も軽減されます。取り組みが蓄積されることで、次回以降の改善もしやすくなり、成果の精度が回を重ねるごとに高まっていくのもメリットです。

データで成果を示せる会社かどうか確認する

展示会のROIを可視化するためには、データに基づいた成果測定が不可欠です。パートナー企業を選ぶ際は、その会社がデータドリブンなサポート体制を持っているかを確認しましょう。

具体的なチェックポイントとしては、リード管理や分析にどのようなツールを活用しているか、どのようなレポーティング体制があるか、そしてレポート提出後にPDCAサイクルを回すための具体的な改善提案まで行ってくれるか、といった点が挙げられます。

よくある質問(FAQ)

最後に、展示会出展を検討する企業からよく寄せられる代表的な疑問について、実践的な観点からお答えします。

展示会出展の費用相場と予算配分の考え方

展示会出展にかかる費用は、出展する展示会の規模やブースの大きさ、装飾の内容によって大きく変動します。一般的な費用目安としては、小規模なもので数十万円から、大規模なものになると数千万円規模になることもあります。

費用対効果を高めるためには、予算配分の考え方が重要です。ブースの設営費だけでなく、出展料、スタッフの人件費、ノベルティ制作費、事前のプロモーション費用なども含めて考えましょう。また、見落としがちな電気工事費や通信費などの「隠れコスト」も事前に把握し、総予算の中で優先順位をつけることがおすすめです。

初めての出展で最低限必要な準備とは?

初めて展示会に出展する場合、何から手をつければよいか迷うことも多いかと思います。最低限必要な準備としては、まず「出展目的(KGI)の明確化」と「ターゲットペルソナの設定」が挙げられます。

よくある失敗は、目的が曖昧なまま出展し、当日は名刺交換だけになってしまうケースです。小規模な出展であっても、「誰に」「何を伝え」「どのような行動を促すか」という戦略の軸をしっかり固めておくことが、成果を出すための重要なポイントです。

オンライン・ハイブリッド展示会への対応方法

近年、デジタル技術を活用したオンライン展示会や、オフラインと組み合わせたハイブリッド展示会が増えています。これらの新しい形式に対応するには、オフラインとは異なるノウハウが求められます。

オンラインでは、来場者の興味を引く動画やPDF資料などのデジタルコンテンツの準備や、チャット・Web会議システムを使ったスムーズなコミュニケーション体制の構築が鍵となります。対面で信頼構築できるオフラインの強みとデータを取得しやすいオンラインの強みを理解し、自社の目的に合わせて使い分ける戦略的な視点をもって取り組みましょう。

まとめ

展示会出展は、単なる販促イベントではなく、商談創出と顧客理解を同時に実現する「戦略的チャネル」です。目的を明確にし、KGI・KPIを基点に準備から当日の運営、事後フォローまでを設計することで、成果を確実に可視化できます。

また、データ分析やPDCAの仕組みを整えることで、展示会は一度限りの活動ではなく、再現性のある投資へと進化します。

JTBでは、企画・ブース設計・運営・振り返りまで一貫して支援し、展示会の成果最大化を総合的にサポートしています。より高い成果につながるよう伴走いたしますので、まずは気軽にお問い合わせください。

本記事に関するお問い合わせ、ご相談、ご不明点などお気軽にお問い合わせください。

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