チームビルディングとは、チームをより良い成果を生み出せる状態にしていくことを意味します。企業のチーム力を上げたい場合は、チームビルディング研修がおすすめです。この記事では、人事・総務の施策立案・企画をする担当者に向けて、チームビルディング研修の目的やメリット、企画するうえでのポイントについて解説します。実際の成功事例も紹介します。ぜひ、ご覧ください。
INDEX
チームビルディングとは
チームビルディングとは、直訳するとチーム構築と言う意味です。チーム単位でプロジェクトを進めていくには、非常に重要なものです。効率よくかつ効果的にチームで作業を進めていくためには、それぞれの得意分野が何かを把握しつつ、各メンバーが自発的に動いていく必要があります。
チームビルディング研修は、チーム内の年齢や役職が違った人と一緒になって行うもの、新人、中堅社員、リーダーなど、年次や役職ごとに行うものなどさまざまなものがあります。
チームビルディング研修の目的
チームビルディング研修の目的は、最終的には「業務の目標を達成する強いチームを創ること」です。この目的を達成するために、コミュニケーションの活性化や、メンバー同士の相互理解、チームの目的の共通理解を進めるなど、現在のチームの課題にあわせた目標設定を行います。
IT化やグローバル化、テレワークの導入が進み、チームでの業務といってもそれぞれが個人的に仕事を行う機会が増えてきました。そのため、チームの一体感は希薄になりがちです。以前は毎日仕事をするだけで結束力はある程度強くなっていましたが、現在ではチーム力を上げるような研修が必要となっています。
(参考)チームビルディングの有名なフレームワーク
チームビルディングのためのフレームワークとして有名なのが、「タックマンモデル」「GRPIモデル」です。
タックマンモデルとは、チームビルディングには形成期、混乱期、統一期、機能期、散会期の5つの過程があるとするものです。それぞれの過程を経て、発展します。チームビルディング研修を行うときは、タックマンモデルのそれぞれの過程に適したものを選ぶのもおすすめです。
GRPIモデルは、目標(Goal)、役割(Role)、手順(Process)、関係性(Interaction)と、チームビルディングのときに考慮すべき4つの要素と優先度を表しています。チームビルディングのときには、目標、役割、手順、関係性の順で、組織を評価していくべき、というフレームワークです。
チームビルディング研修の種類
チームビルディング研修の種類として、オンライン研修、オフライン研修の2種類があります。それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
オンライン研修 |
|
実際に顔合わせができない |
オフライン研修 | 実際に対面するため会話しやすい | 感染症の状況によっては開催できない |
オフライン研修をする場合は以下のような実施形態があります。
オフライン研修の実施形態 | メリット |
---|---|
屋内研修 | 天候に左右されない |
屋外研修 | スポーツなど広さを活かした研修ができる |
合宿型 | 長時間のチームビルディングができる |
社員旅行 | 従業員が楽しくチームビルディングができる |
チームビルディング研修で得られる効果・メリット
チームビルディング研修を行うと、チーム内の人間関係が強化されます。お互い信頼できるようになり、チームで仕事をする際の生産性向上が期待できます。チームで動くことで目標達成できるという経験、チームの重要性の理解も進みます。
チームに対する愛着が湧けば、チームに貢献したいと考える人も増えるため、個人のパフォーマンス向上にもつながります。困ったときにチームで助け合うようにもなるため外部環境の変化にも強くなります。
チームビルディング研修のポイント・注意点
チームビルディング研修を行うポイントは以下の3つです。
- はじめに目標を明確にする
- 個人能力の強化ではなくチーム力の強化を意識する
- 参加者全員にとって意義のある研修にする
自社の状況、チームの状況を見極め、どのようなチームにしたいのか目標を具体的に考えてから、研修内容の企画を進めます。
研修内容は個人単位ではなく、チーム全体が団結できるものにすると、チーム力アップにつながります。ただ、内容は一部の人だけ注目されるようなものではなく、参加者全員が参加する意義を感じられるようにも気をつけます。チームの一員として自分が必要である、と思える内容にするとより効果的です。
チームビルディング研修 5つの手法
チームビルディング研修としてよく行われる手法を5つ紹介します。チームが一丸となれるものをピックアップしました。
01お手軽系ゲーム
チームビルディング研修では、お手軽系ゲームがおすすめです。お手軽系ゲームは誰もが楽しめるものが多いため、チームビルディング研修で取り入れられることが多いです。例えば、ジェスチャーゲームは、1人が掲げられたお題を言葉ではなく体を使って表現し、その他の人が何を表現しているのか当てるゲームです。相手に伝わる表現にするにはどうすればいいのかを学べ、受けては相手が何を伝えているのか読み取ることを学べます。
また、ペーパータワーゲームは、チームで紙を使って自由にタワーを作成し、時間内にどれだけ高いものを作成できるかというゲームです。一見単純なゲームですが、タワーの設計方法によって高さや安定性は大きく変わるため、戦略がものをいいます。誰が設計し、誰が組み立てるなど、役割分担も重要です。
その他、条件プレゼンゲームは、指定されたキーワードやテーマを使ってチームでプレゼンを作り上げるゲームです。「ボールペンを1万円で売る方法」など、気軽に取り組めるテーマにするとよいでしょう。
最終的にチームごとにプレゼンテーションを行い、内容を競います。チーム内の結束が高まるうえに、個人のプレゼン力向上も期待できます。
02体を動かす系ゲーム
チームビルディング研修で取り入れられるものとして、体を動かす系ゲームがあります。体を動かす系ゲームは、軽いスポーツ感覚でチームワークを養うことが可能です。室内よりもコミュニケーションが難しい室外で行うほうがコミュニケーション力強化に有効とされています。
体を動かす系ゲームの具体例として、鬼ごっこや縄跳びなどがあります。鬼ごっこや縄跳びは、掛け声をかけて、体を動かしながらコミュニケーションを取るため、チームビルディング研修として導入されることがあります。
03バーベキュー
チームビルディング研修では、バーベキューも実施されることがあります。バーベキューでは役割分担が発生するため、準備段階からチームワーク強化が期待できます。また、屋外の非日常なロケーションで行われることが多く、知らない相手とも自然とコミュニケーションが生まれる空間をつくれます。
ゲームを行った後などに、バーベキューを実施すると、よりチームビルディング研修の効果が高まります。
04運動会
チームビルディング研修では、運動会を行うこともあります。運動会は事前準備の工数が多いため、事務局メンバーを選抜すれば、準備段階からチームビルディングになります。また、チーム対抗なので、チームとしてモチベーションが高まりやすく、コミュニケーションが生まれるきっかけにもなります。
運動会では、準備からプログラムの実施まで、チームで協力しながら行うため、コミュニケーション活性化につながります。
05社員旅行
チームビルディング研修を社員旅行として実施することもあります。社員旅行は、非日常な時間であるため、普段の業務とは異なるコミュニケーションが生まれやすい場です。それにより、それまで仕事で関わったことのない人と会話が生まれたり、相手の今まで知らなかった面を知るきっかけとなったりと、さまざまなシーンでチームビルディング効果が期待できます。また社員旅行は、とにかく社員に喜んでもらうことを前提に企画することで、会社に貢献意識を持ってもらえるというメリットもあります。
通常の社員旅行でも、バーベキューやゲームを取り入れることで、よりコミュニケーションが活性化し、チームビルディングにつなげることができます。
チームビルディング研修 企業の成功事例4選
チームビルディング研修を企画する際は、他社の成功事例を参考にすると企画しやすいでしょう。そこで企業の成功事例を4つ紹介します。
01【ボッチャ】サミット株式会社 様
サミット株式会社様では、毎年新入社員を対象に3泊4日の合同合宿を実施しています。2020年は新型コロナウイルスにより、内容を変更せざるを得ない状況になりました。そこで、体力やスキルが関係なく平等に楽しめ、チームワークが必要なカーリングや運動会を含めたボッチャ大会を開催しました。プログラムを通して、社員同士のチームワーク強化につながっています。
02 【CAMPING OFFICE】全国経営者団体 様
経営者団体様が年に一回の研修として「CAMPING OFFICE」をご活用された事例です。スノーピークビジネスソリューションズとJTBが協業して、アウトドアで自然を感じながらわくわくと仕事ができるプログラムです。
屋外でもしっかりとミーティングができ、グランピングやバーベキューを通して経営者同士の交流を深められました。仲間同士のつながりが深まり「気づき」「学び」が得られる時間となりました。
03【オンライン運動会】大手金融機関 様
大手金融機関様では、コロナ禍でも全国を横断して、社員が集まる機会をオンラインで実現しました。オンライン運動会を開催、レクリエーションゲームを通して、双方向的なコミュニケーションでチームワークを活性化しました。コロナ禍では一方通行のコミュニケーションになりがちですが、社員同士のつながりを深めて、組織全体のモチベーション向上につながりました。
04【社員合宿】株式会社博報堂ケトル 様
株式会社博報堂ケトル様では、年に一回、社員全体で合宿をしています。創業時から大切にしているコンセプト「手口ニュートラル」を浸透する場として毎年合宿を実施しています。コンセプトの組織浸透をより深めるべく、「ケトル合宿」をコンセプトに沖縄の廃校にて合宿を行いました。役職や年齢に関係なく、社員同士が交流できるプログラムを用意して、参加者同士の親睦を深める機会になりました。
JTBのチームビルディング研修 プログラム例
株式会社JTBでは、チームビルディング研修のサポートを行っています。ここでは、JTBが提案しているチームビルディング研修のプログラムを紹介します。
01「7つの習慣®Outdoor」
「自立」と「チームワーク」の本質に気づくことを目的とし、フランクリン・コヴィー・ジャパン社の「7つの習慣」研修をアウトドアを体験して学ぶことができる世界初・唯一無二の社員研修プログラムです。 「7つの習慣®Outdoor」を共通体験した参加者は、脳裏に焼き付いた「感動の光景」を胸に、日常業務に戻ってからも主体的に自立とチームワーク強化に取り組むようになります。そして個人の成長とチームの成長は、組織によい影響をもたらします。
02「CAMPING OFFICE」
CAMPING OFFICEとは、屋外でキャンプをしながら、会議や仕事を行うチームビルディング研修です。自然のなかで会議を行うことで、いつもとは違った発想を得られるのではないかと期待されています。カジュアルな服装で役職の垣根を越えて作業することにより、いつもは話しにくい人とも話しやすくなります。テント設営や食事の支度を協力して行うため、チームビルディング研修として有効です。
社内研修を計画する方におすすめの資料を紹介
はじめてチームビルディング研修を計画するとき、どのように進めていけばよいのか迷う方も多いのではないでしょうか。そのようなお悩みをお持ちの方には、社員研修INNOVATIONS ~最新トピックスやマネジメント層から新人研修まで使える13のプログラムも紹介~がおすすめです。企画を進める前に、ぜひご覧ください。
ホワイトペーパー(お役立ち資料)
社員研修INNOVATIONS ~最新トピックスやマネジメント層から新人研修まで使える13のプログラムも紹介~
まとめ
今回は、チームビルディング研修について、メリット、企画のポイント、手法、そして企業の成功事例を紹介しました。コロナ禍でテレワークが進み、社員同士が顔を合わさずに業務を進めていくようになった企業は多いと思います。しかし、チームで協力して働く重要性は依然として変わりません。むしろコロナ禍により、その重要性は増しているのではないでしょうか。会社内には、部署やプロジェクトなどたくさんのチームがあります。役員会もチームの1つと言えます。貴社のチームの団結力や信頼関係はいかがでしょうか。もし課題をお持ちでしたら、チームビルディング研修が最適です。この機会に、貴社でも実施を検討してみてはいかがでしょうか。
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