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企業・団体向け WEBマガジン「#Think Trunk」 【成功事例あり】人材育成とは?人材教育との違いや施策の考え方・ポイントを紹介

2023.02.01
HR(Human Resources)
従業員満足(ES)向上
人材・組織力強化

人材育成とは、自社の成長や発展に貢献できる人材を育てる重要な施策です。人材育成を行うことで、従業員の能力や強みを引き出し、専門性を高めることで、企業としての競争力を高めます。労働人口が減少する中、人材確保に苦労している企業は多く、そのため人材育成は人材確保の観点でも重要性を増しています。この記事では、人材育成の概要や人材育成のポイントなどについて紹介します。自社の人材育成の検討にお役立てください。

人材育成とは

人材育成とは、従業員を自社の成長や発展に貢献できる人材に育てることです。人材が育ち、競争力が増せば、企業の業績アップや成長につながります。人材育成は、対象の従業員によって方法や目標が異なるため、人材を育成する立場の者が、育成方法を理解しておかなければなりません。また人材を育てることで、育成に携わった従業員も成長するこができます。

企業が人材育成に取り組む目的とは

企業が人材育成に取り組む目的は、競争力の向上や利益の最大化です。人口減少や少子高齢化が進み、労働人口は減少傾向、人材も流動化しています。優秀な人材の確保は難しくなり、そのため従業員の人材育成は一層重要なものとなっています。取り組むにあたっては、定量的な目標や期日を明確に設定し、全社的に取り組んで人材育成を成し遂げることが大切です。

人材育成に取り組む前に確認すべきポイント

人材育成に取り組む前に、確認すべきポイントがあります。ここでは、5つのポイントについて紹介します。

01必要な人材の要件を定義する

人材育成に取り組む前に、必要な人材の要件を明確にすることが重要です。人材育成の施策を検討するにいたった背景・理由を洗い出し、課題を浮き彫りにします。自社の課題克服のために必要な人材の要件を定義し、社内で共有することが大切です。

02社員の自発性を引き出せる環境を考える

職場では普段から、従業員が自発的に自分の能力を発揮して、仕事ができる環境をつくることが大切です。人材育成として、さまざまな施策を実施しても、職場に戻った従業員が自発的に動けなくては人材育成の意味はなくなります。

03実践機会・サポート体制をしっかり構築する

従業員は、人材育成で身につけたことを実践することで、知識やスキルが定着しやすくなります。そのため、従業員が日々仕事をするうえで、上司や先輩がサポートする体制が重要です。

04社員を指導する側の育成も忘れない

従業員を育成する側の育成も重要です。OJTトレーナーや管理職など育成する側も育成していくことで、全社的かつ効率的な人材育成の好循環が生まれます。この好循環を継続することで、会社全体のレベルアップが可能です。

05人材育成の担当者と経営層で共通認識を持つ

人材育成は、人事の担当者だけではなく、経営層も人材育成が社運を握っていることを認識することが重要です。「企業のビジョンを実現するためには、人材育成が不可欠」という認識を担当者と経営層で共有することにより、効果的な人材育成が可能となります。

戦略的人材育成の考え方

人材育成を戦略的に行うには、考え方を抑えておく必要があります。ここでは、基本となる考え方について紹介します。

01自社が持つ課題を洗い出す

人材育成戦略を練る前に、自社の課題を洗い出す必要があります。現状分析をして、人事面だけではなく、会社の方向性・戦略、組織のあり方の観点からも課題を洗い出すことが重要です。

02将来の方向性を確認する

会社の将来の方向性を確認し、洗い出した課題が優先的に解決すべきものかどうか検討することがポイントです。会社の方向性を確認することで、重要度の高い課題を絞り込むことができます。重要な課題をもとに、人材育成戦略を立てることが大事です。

03課題の解決策を検討する

優先すべき課題を見い出すことができれば、次は課題に最適な解決方法を検討する段階です。「ギャップ分析」や「7:2:1 モデル」などのフレームワークを活用すると効果的です。これらのフレームワークは次で紹介します。

「ギャップ分析」とは

ギャップ分析とは、会社が求める人材と現状とのギャップを分析する方法です。従業員がスキルを習得する基本的な考えです。あるべきスキルや実績とのギャップを、どのように埋めていくのかを検討していきます。

「7:2:1モデル」の法則とは

近年の人材育成の基本的な考え方が「7:2:1」モデルです。これは、「リーダーが育つ条件は、経験70%、人間関係20%、Off-JT10%である」とするものです。経験は、業務上の経験であり、人間関係は上司や先輩とのコミュニケーション、Off-JTは職場外での育成を指しています。

スキルマップを作成すると育成を進めやすい

スキルマップは、在職年数や役職に適したスキルなどを、現場責任者や経営層へのヒアリングを通して作成する人材のマップです。スキルマップの目的は、各々の従業員が持つスキルを一覧にすることであり、時系列で示すことで体系的な人材育成の必要性を明らかにします。スキルマップのイメージは次のようなものです。

入社後 従業員の共通スキル 専門職のスキル
3ヶ月以内 ・電話対応ができる
・滞りなく上司へ報告ができる
・伝票や帳票の作成ができる
1年以内 ・仕事の優先順位を理解している
・業務の問題点を見いだせる
・顧客対応ができる
・顧客へ自社の強みを説明できる
3年以内 ・クレーム対応ができる
・業務の改善を提案できる
・業務マニュアルの改善点を見い出せる
5年以内 ・会議の進行ができる ・プロモーションを立案できる

人材育成の具体的な手法

人材育成には多くの手法があります。ここでは、代表的な手法を4つ紹介します。

01集合研修

集合研修は、外部や内部の講師が、集まった従業員を研修する方法であり、Off-JTとも言われる代表的な人材育成方法です。特定分野の知識を習得したり、一度の研修で複数人を育成できるというメリットがあります。デメリットとしては、講師としての適任者を探すのに時間や労力、費用がかかる点です。また研修に参加している従業員が、職務から離れている間は業務がストップしてしまいます。

02OJT

OJTは、「On the Job Training」の略語であり、現場で行う人材育成の手法です。実践を通して知識や能力を身につけることを目的としています。必要な知識やスキルをその場で習得できて、対象者に合わせた教え方ができるというところメリットです。デメリットは、教える側の経験や能力によって、育成効果にばらつきが出やすくなり、負担も増えるという点です。

03eラーニング

eラーニングは通信教育の1つで、主にパソコンを利用して遠隔で人材育成をする方法です。あらかじめ育成の対象となる従業員にテキストや専用WebサイトのURLなどを配布して共有します。従業員は時間や場所を拘束されずに学ぶことができ、教える側の負担も軽減されることがメリットです。

04自己啓発

自己啓発は、従業員自身が自発的に学び、スキルアップを目指す取り組みです。セミナーへの参加を勧めたり、資格取得費用を補助するなどのバックアップが欠かせません。従業員にとっては、時間や場所に拘束されないというメリットがあり、会社側は講師を準備しなくてよいというメリットがあります。デメリットは、従業員自身のモチベーションの維持が難しいことです。

05公開講座

公開講座は、研修会社が行う人材育成プログラムなどに、対象従業員を参加させる方法です。企業の規模に関わらず人材育成を進めることができ、研修担当者の負担も軽減されるというメリットがあります。自社の都合で研修日程を選ぶことができず、プログラムも変更できないことがデメリットです。参加費用も発生します。

 

【社員別】人材育成のポイントを紹介

人材育成は計画的に行わなければ、目的を達成することが難しくなります。ここでは新入社員と中途入社の社員に分けて人材育成のポイントを紹介します。

POINT01新入社員の場合

新入社員の場合は、採用時の状況を確認してから取り組むことがポイントです。モチベーションや自社や事業に関する理解度、新入社員同士のコミュニケーションの状況など、その年その年での特徴を掴みます。また新入社員は、入社後にギャップを感じることで離職率が高まるため、入社前には、自社の仕事の実態を正確に伝えることも重要になります。入社後の研修では、社会や仕事の厳しさと丁寧なフォローのバランスを図ることが大事です。

POINT02中途入社の社員の場合

中途入社の社員の場合は、次世代のリーダーに向けての人材育成がポイントです。部下を持たせて、部下の指導、管理、目標達成に導くプロセスを体験させることでマネジメント能力が身につきます。リーダーは、多種多様な業務知識も必要となるため、他業種のセミナーへの参加を促し経験させることも大切です。社内では、ジョブローテーションを活用し、新たな知識やスキルの習得を図ります。

人材育成の成功事例を紹介

人材育成を円滑に進めるためには、成功事例を参考にすることが近道です。ここでは、2つの事例を紹介します。

サミット株式会社様

サミット株式会社では、例年3泊4日の新入社員合宿研修を行っていました。しかし、新型コロナウイルスの影響で実施できなかったため、代わりにチームビルディング研修を行いました。研修では、パラスポーツであるボッチャ大会を開催。年齢や経験値などに関わらず、平等に取り組めるスポーツであったため、誰もが気軽に参加でき、1つの目標を達成するうえでのチームの重要性を全員で感じることができました。

■詳しくはこちら

新入社員の「つながり」の形成に「今できる」チームビルディング研修

トヨタ車体株式会社様

トヨタ車体株式会社では、事業変革の取組みを共有するため、年に一度、社内TQM大会(Total Quality Management)を開催していました。しかし、2020年度はコロナ禍により、オンライン開催を余儀なくされました。そこで行ったのが、リアル参加者とオンライン参加者によるパネルディスカッションです。リアルタイムアンケートシステムを導入し、リアルタイムでアンケートを収集。そのアンケート結果を議論素材にした意見交換を実施しました。このような場に若手社員が関わることで、人材育成にもつながりました。

■詳しくはこちら

“若手社員の想いをカタチに”新システム導入で成功への一歩をお手伝い!


まとめ

少子高齢化による労働人口の減少により、優秀な人材の確保は一層難しくなっています。そのため、人材育成の重要性はますます高まっています。人材育成は、人事の担当者だけではなく、経営層の参加が不可欠です。経営層が人材育成に真剣に取り組むことは、社内の人材育成の追い風になります。

最後にご紹介するのが、このような中、注目を集めている人的資本に基づく「EVP(Employee Value Proposition)」という考え方です。EVPとは、企業が従業員に対して提供する価値のことです。従業員が自社に共感すれば、その企業で活躍し続けてくれます。これからは従業員が会社を選ぶ時代です。貴社でもEVPという考え方で人材育成を考えてみてはいかがでしょうか。詳しくは、こちらの資料をご覧ください。


ホワイトペーパー(お役立ち資料) EVP経営のすすめ ~人事管理から人的資源管理、そして人的資本経営へ~

今、注目を集めているのが人的資本に基づく「EVP」という考え方です。EVP(Employee Value Proposition)とは、企業が従業員に対して提供する価値であり、従業員が共感できるその企業で働く価値(Employee Experience)のことです。「EVPが充実する企業の従業員はイキイキとしている(Employee Engagement)」と言われ、いま企業には、EVPをいかにバランスよく、的確に提供できるかが問われています。本資料は「EVP経営のすすめ」と題し、日本企業における従業員エンゲージメントの実態と人事戦略の歴史、EVPが生み出す多様なメリット、「EVP経営」の要諦についてまとめたものです。経営層、総務人事担当者の方は、ぜひご覧ください。この機会に貴社でも、EVP経営を取り入れてみませんか?

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