近年では多くの企業がグローバルミーティングを開催していますが、日本だけでなく海外の参加者もいることから、課題も少なくありません。本記事では、グローバルミーティングの課題や成功させる方法について紹介します。グローバルミーティングの成功事例もあわせて紹介しますので、ぜひご覧ください。
グローバルミーティングとは
グローバルミーティングとは、企業が国内外の従業員を対象として開催するミーティングのことです。グループ全体の方針を共有したり、議論したりするのが一般的です。
グローバルミーティングでは、日本人同士のミーティングとは異なる点も多いため、スムーズな開催のためには相互理解が必要です。グローバルミーティングの使用言語としては英語が多いですが、企業によってはフランス語、ドイツ語が使用される場合もあります。
グローバルミーティングの特徴
グローバルミーティングは日本での会議と比べて、いくつかの特徴があります。
特徴01会議の開始時間より、遅れてスタートする場合が多い
日本では9時スタートだと、参加者が9時にはミーティングの場に集まっていることが一般的です。一方、グローバルミーティングでは、9時になってようやく参加者がミーティングの場に向かい始め、開始が2~3分遅れることも珍しくありません。
特徴02使用言語は英語
さまざまな国からの参加者が集まるグローバルミーティングでは、共通言語である英語が使用されます。
特徴03参加者が上下関係を意識せずに発言する
日本ではミーティングでも立場を意識してしまうようなこともありますが、グローバルミーティングでは上下関係を気にせず発言することが一般的です。
特徴04発言途中でも割って入る
誰かが意見を述べている途中でも、疑問があればその場で質問することが珍しくありません。
グローバルミーティングを開催する上での4つの課題
多くの企業から聞こえてくるグローバルミーティングを開催する上での4つの課題について紹介します。
目的の違い
グローバルミーティングを開催する上での課題の1つは、日本と海外ではミーティングの目的に違いがあることです。日本では意見交換と結論の再確認が主なミーティングの目的とされることが多くあります。一方、グローバルミーティングの目的は、議論して結論を出すことです。グローバルミーティングを開催する場合は、その目的が議論なのか情報共有なのかを明確にすることが大切です。
ミーティング様式の違い
ビジネスにおけるミーティング様式の違いも、グローバルミーティングを開催する上での課題となります。日本のミーティングでは発言者が意見を述べている間は聞き役に徹し、順番が回ってきた時に発言することが一般的です。一方、グローバルミーティングでは前述の通り、順番に関係なく発言し、疑問があれば発言に割って入ることも珍しくありません。
「割り込みが苦手」というパーソナリティー
日本人は議論において、その場で質問することや割って入って発言することが苦手な傾向があります。このこともグローバルミーティングの課題として挙げられます。割り込んでは失礼だと礼儀を重んじたり、質問の内容に自信がなかったりと、発言のタイミングが難しい場合もあります。グローバルミーティングでは、参加者自らが発言のタイミングを作り出すことができるように運営上、工夫することがポイントになります。
言葉の違い
グローバルミーティングを開催する上で、言葉の違いは代表的な課題です。グローバルミーティングにおいて、ネイティブのような流暢な英語を話す必要があると思い込んでいる日本人は少なくありません。
しかし、完璧主義だと英語が難しく感じられ、かえって英語での発言ができなくなります。グローバルミーティングでは完璧な英語を話すことよりも、意見を発信することや取り入れること、コミュニケーションを成立させることが重要です。また全員が英語を話せるとは限りません。同時通訳の用意なども必要になってきます。
グローバルミーティングを成功させるポイント
グローバルミーティングを成功させるポイントについて紹介します。
POINT01事前準備を念入りにする
グローバルミーティングを成功させるポイントの1つは、念入りな事前準備です。一般的に海外では、ミーティングの際にアジェンダが用意され、事前に共有されます。アジェンダとはミーティングの内容や議題を簡潔にまとめた資料をいいます。
開催においては、アジェンダを準備し、議題や進行の流れについて、参加者にあらかじめ共有しておくことがおすすめです。また、時間の厳守についても念押しすることで、会議をスムーズに開始できます。
POINT02議論の目的、目標を明確にする
グローバルミーティングを成功させるためには、何について議論し、意思決定するのかを明確にすることが必要です。具体的には、Objective、Output、Outcomeの3つのOを、参加者に明確に伝えることです。一般的にグローバルミーティングでは、何らかの項目に関して、意思決定が行われることが前提となります。グローバルミーティング内で決められること、すでに決定しており変更できないことを、それぞれ明確に提示しておかなければ、海外の従業員から不満が出てしまう恐れがあるので注意が必要です。
Objective(目的)
ミーティングの目的が情報交換・意見交換・議論のどれなのか、はっきりと提示されていなければ、参加者の混乱を招く場合があります。
例:ある新製品の売上目標達成のための方針や戦略を決定する
Output(決定する項目)
このミーティングで具体的に何を決めたら目的が達成されるのか、それを全員に共有する必要があります。
例:対象の製品についての、今後のアクションプランやスケジュールを決定する
Outcome(ミーティング後のビジネスの成果)
一番大事なのが成果です。このミーティングで決定したことを実行した結果、良かったのか?悪かったのか?その判断指標です。
例:5年以内に対象の製品でシェアNo.1を獲得する
POINT03参加者が発言しやすい環境を整える
グローバルミーティングでは、発言者への意見や質問は、ミーティング全体への貢献と見なされます。相手の発言が聞き取れない場合は曖昧にせず、その場で聞き返すことが大切になるため、遠慮しがちな日本などからの参加者がいる場合には、進行上の工夫で皆が理解していることを確認していくことが重要です。
グローバルミーティングの成功事例
グローバルミーティングの成功事例を紹介します。
01 横浜ゴム株式会社 様 世界の拠点をオンラインでつなぐ!伝える!世界代理店会議
横浜ゴム株式会社様ではメーカーの意思や方針を伝えるため、世界各国の販売代理店が参加する世界代理店会議を定期的に対面で開催していました。しかし、コロナ禍によってリアルでの開催が困難となり、代わりにオンラインで開催することに。初のオンライン会議でしたが、開催目的を無事達成でき、成功裏に終わりました。
詳細はこちらからご覧ください。
02 某大手製薬会社 様 日本と海外をつないだライブブロードキャスティングサービスによるオンライン講演会
ある製薬会社様は、コロナ禍によって、医療従事者との対面に制限がかかったため、コミュニケーションの質と量がともに低下するという課題に直面していました。毎年、コミュニケーションの機会として、講演会を開催していましたが、それも開催が難しい状況に。そこでオンライン講演会を実施することにしました。世界各地からの同時中継や同時通訳により、主催者と参加者の相互コミュニケーションが実現。参加者から高い評価を得られました。
詳細はこちらからご覧ください。
まとめ
今回はグローバルミーティングについてお届けしました。グローバルミーティングは、国内外の従業員やステークホルダーに対して、戦略や方針、事業目標などを共有、目標達成へ向けての実行プランを議論するなど、企業にとって非常に大切な場です。
グローバルミーティングを成功させるためには、海外の従業員も参加するグローバルミーティングと日本におけるミーティングとの違いを理解することが大切です。具体的にはミーティングの目的や様式、言葉の違い、そして日本人には発言に割り込むことを遠慮しがちなお国柄があることです。
実施するミーティングの目的や意思決定する議題を明確にし、参加した誰もが発言できるような運営を実現することが重要です。この機会に、貴社のグローバルミーティングを見直してみてはいかがでしょうか。
最後に、グローバルミーティングの企画に役立つ資料をご紹介します。ぜひ、ご覧ください。
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国際会議(グローバルミーティング)は、海外からの問い合わせ対応、接遇準備など事務局として行わなければならないことが数多くあります。またコロナ禍により、オンラインの活用が進んだ結果、今後は、現地開催、ハイブリッド型、オンラインなど開催手法も戦略的に検討しなければなりません。
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従来よりミーティングやイベントは、各企業・業界における事業ゴールの達成、経営上の課題解決、というビジネス上の目的を達成するための「手段」として利用・実施されてきました。イベント全体の運営管理を行うイベントマネージャーが、多くのミッションと悩みを抱える中、注目なのが、「ビジネスイベントマネジメント」という考え方です。