社内イベントは、従業員間のコミュニケーションを増やし、生産性に良い影響を与える施策です。会社と従業員の方向性を一致させ、会社の理念を浸透させる効果も期待できます。この記事では、社内イベントのメリットやデメリット、成功するポイントなどを紹介します。社内イベントを開催する手順や参加率を高める方法も紹介しますので、ぜひご覧ください。
記事の最後には、社内イベント運営がもたらす従業員の成長を紹介しています。こちらもぜひご覧ください。
INDEX
社内イベントを開催する目的
社内イベントは、主に従業員同士の交流を目的としたものです。従業員同士がコミュニケーションを取り、団結力を高める効果が期待できます。また社内イベントは、会社の理念を浸透させ、社内の方向性を一致させるためにも必要です。社内でのコミュニケーションが増えたり、企業理念が浸透すると帰属意識の高まりを生み、生産性や業績に良い影響を与えられます。
社内イベントの種類
社内イベントには、以下のようなものがあります。一部を紹介します。
- 社員総会
- 従業員の表彰式
- 社員旅行
- 周年記念イベント
- 運動会
それぞれのイベントは従業員同士の交流を促し、業務効率や生産性の向上につなげることができます。会社の理念や方針が浸透し、従業員全員が共有することで、社内外にアピールできる点もメリットです。
社内イベントを開催するメリット
社内イベントを開催するメリットとして挙げられるのが、従業員エンゲージメントの向上につながるということです。社内イベントは、従業員エンゲージメントの向上につながる4つの要素に良い影響を与えます。それぞれ説明していきます。
01コミュニケーションが円滑になる
1つ目はコミュニケーションが円滑になることです。上司と部下はもちろん、普段は接点のない同じ部署以外の従業員とも話す機会をつくれます。仕事以外の雑談によって、コミュニケーション不足が解消し、従業員同士の距離を縮めることが可能です。
社内イベントの後は、従業員間の情報共有もしやすくなり、連携や業務のミスの低減が期待できます。また報告や連絡がスムーズになり、生産性の向上にもつながります。
02モチベーションの向上につながる
イベントに参加すると、従業員のモチベーション向上が期待できます。従業員同士のコミュニケーションが、新たな気づきや仲間の仕事に対する思いなど、自身の価値観にいい影響を与え、「自分も頑張ろう」と仕事に対するモチベーションにつながりやすいためです。悩みや不安の相談など、気軽に話せる関係を構築することも、モチベーションの向上に影響を与えます。
03ワークライフバランスの向上につながる
会社が社内イベントとして社員旅行などのレクリエーションを行うことで、社員のストレスの軽減を図ることができます。社員の満足度向上は、心の充実を生み出し、ワークライフバランスの向上につながります。
04自社のブランドイメージが向上する
社内イベントを開催することは、自社のブランドイメージの強化につながります。社員総会や周年記念イベントの際、従業員が自社の文化や価値観に触れる機会をつくることで、自社に誇りを持ち、ポジティブな自己認識を持ちやすくなります。従業員自身の自己認識は、社外に対して影響を与え、自社のブランドの強化につなげられます。社内イベントの内容は、自社の目標や文化を考慮して決めることが大事です。
社内イベントを開催するデメリット
社内イベントを開催する際は、コストや従業員の不参加を考慮する必要があります。ここでは、デメリットを紹介します。
01コストがかかる
イベントを開催する際は、会場や飲食などの費用がかかります。企画や運営に加えて、準備や作業に関わる時間・手間のコストも発生します。イベントは全体のコストと費用対効果を考慮して、予算を適切に配分することが重要です。大規模なイベントになるほど、開催時にかかるコストが増える傾向にあります。
02人が集まらないリスクがある
社内イベントは、開催日時や開催場所、参加形態によっては、参加できない人が多くなるリスクがあります。従業員のなかには、仕事以外で気を遣ったり、コミュニケーションが負担になったりする人がいるためです。強制的に参加させると、パワハラと見なされる可能性もあります。社内イベントを開催する際は、従業員の参加を促す工夫が必要です。
社内イベントの参加率を高めるポイント
社内イベントのリスクの1つとして、人が集まらないということをお伝えしましたが、社内イベントを開催する際は、参加者の負担を下げる工夫が必要です。ここでは、参加率を高めるポイントを紹介します。
01平日に開催する
社内イベントは、平日に開催すると参加率を上げやすくなります。休日はプライベートの時間を確保できなくなり、参加を辞退する人が多くなりやすいためです。イベントの内容は、できるだけ手短かで、業務時間内に終わるものがおすすめです。繁忙期や月末月初などを避けると、より参加しやすくなります。
02参加者の準備を不要にする
参加者の準備が必要なイベントは、参加率が低くなりやすいため避けることが大事です。たとえば、参加者が余興を強制されたり、資料の用意が必要だったりすると、参加率を下げる原因となります。参加者の負担を下げるために、イベントに使用するものは、主催者側で揃えることが必要です。
03複数回に分けて告知する
社内イベントは、社内の広報やチラシなどで複数回に分けて告知する必要があります。1度の告知では、従業員に周知することが難しいためです。社内のメールだと、告知が埋もれてしまう可能性もあります。イベントの存在そのものを忘れる人も多くなるため、繰り返し伝えることが大事です。
社内イベントを開催する手順
社内イベントは、開催する際の準備が必要です。ここでは、5つの手順を紹介します。
STEP 01.目的を明確にする
社内イベントを開催する際は、目的を明確にします。社内イベントは手段であるため、最初に目的を明確化することが大事です。目的が決まると、企画のアイデア出しの認識が一致しやすくなり、イベントで何をするかが明確になります。会社によって社内イベントの目的は異なり、従業員のモチベーションや帰属意識の向上などがあります。
STEP 02.運営メンバーを揃える
社内イベントの目的を達成するために必要な運営メンバーを揃えます。社内イベントは、企画から運営まで、さまざまな手間や作業が必要です。イベントの参加率を高めるために、さまざまな年代や性別の従業員を揃えることも重要です。異なる部署のメンバーも参加すると、違った切り口の社内イベントを開催できます。
STEP 03.企画を立てる
社内イベントの内容を決めるための、企画書を作成する工程です。運営メンバーでアイデアを出し合い、目的を達成できるものを考える必要があります。メンバー間で目的意識が共有されていると、より具体的なアイデアが出やすくなります。社内のアンケートやヒアリングなど、従業員から意見を聞くことも大事です。
イベントの内容が決まった後は、開催日程や場所を決めます。普段の業務に支障が出ないように、従業員が参加しやすい日時や場所を決めることが大事です。会場は開催日程が近くなると、予約が難しくなるため、早めに確定する必要があります。会場の広さは、収容人数と参加人数を考慮して決めます。
STEP 04.運営メンバーの役割を分担して準備、開催する
イベントを運営するために、メンバーに役割分担をする工程です。メンバーの得意分野を考慮し、1人ひとりの負担が大きくならないように、人材を割り当てる必要があります。事前に運営マニュアルを作成し、段取りに沿ってイベントを運営することが大事です。トラブルを想定した対応を決めておくと、当日の運営がスムーズになります。
STEP 05.社内イベントの実施レポートを作成、公開する
イベントが終了した後は、報告書の作成です。イベントの企画から運営までを振り返り、次のイベントにつなげるための反省点を洗い出します。参加者のアンケートの意見を参考にすると、社内イベントをより改善しやすくなります。イベントのレポートは、社外にイベントの開催を発信するためにも必要です。
社内イベントの成功事例
社内イベントは、目的によって、その内容が異なります。4つの成功事例を紹介します。
不動産サービス会社 A社 様
不動産サービス会社A社様は、20代~30代の若手社員向けにパラダイスシティ韓国への旅行を開催しました。社内旅行の背景には、エンゲージメントの向上や離職率の低下などがあります。旅行2日目以降の自由行動で、参加者同士に自然と会話が生まれ、コミュニケーション活性化に成功しました。
大手水処理装置開発会社 B社 様
大手水処理装置開発会社B社様は、海外の事業会社を含めた「全社フットサル世界大会」を開催しました。このイベントには日本と海外の一体感を醸成し、会社への理解を深める目的があります。開発拠点や本社見学、観光なども実施し、海外の社員同士とコミュニケーションを深めることに成功しました。
株式会社アクアリング 様
株式会社アクアリング様は、広島県尾道市にてワーケーションを実施しました。日中は業務を継続し、余暇の時間を楽しみます。非日常の環境で学びや刺激を得られ、仕事に対するモチベーションを高められるためです。ワーケーションによって、従業員間のコミュニケーションが活性化し、お互いの親睦を深めるきっかけになりました。
株式会社バンダイ 様
株式会社バンダイ様は、欧米の従業員の訪日研修を実施しました。両国でちゃんこ鍋を食べたり、山形県のしのびの里でショーを楽しんだりします。訪日研修によって、拠点の違う従業員同士のコミュニケーションの機会を創出しました。従業員からは、日本の会社のビジネスマナーや文化を理解できるきっかけを得られたと好評を得ています。
まとめ
今回は、社内イベントをテーマにお伝えしました。社内イベントは従業員同士の交流を促し、団結力を高める効果があります。また、会社の理念や方針を浸透させるためにも重要です。社内イベントの種類は多岐にわたり、従業員同士の交流を促進し、業務効率や生産性の向上につながります。
社内イベントの開催は従業員エンゲージメントの向上につながり、コミュニケーションやモチベーションの向上、ワークライフバランスの向上、自社のブランドイメージの向上にも影響を与えます。ただし、開催にはコストや従業員の不参加のリスクもあります。参加率を高めるためには、イベントを平日に開催し、参加者の準備を不要にし、複数回に分けて告知するなどの工夫が必要です。
社内イベントを開催する手順は、目的を明確にし、運営メンバーを揃え、企画を立て、日程・場所を決め、運営メンバーの役割を分担し、最後に実施レポートを作成することが重要です。企画から準備、運営と自社ですべてを行うのは難しい場合は、社内イベントのサポートを行っている会社に依頼するのがおすすめです。
最後に、お役立ち資料「社内イベント運営がもたらす従業員の成長」を紹介します。社員旅行や周年記念イベントの企画・運営に関わりたいという従業員を募り、イベント運営自体をスキルアップの場にすることも可能です。本資料では、社内イベント運営でみられる従業員エンゲージメントとの相関性や効果などを紹介しています。また、JTBのイベント伴走の取り組みを紹介しています。皆さまのお役に立ちますと幸いです。ぜひ、ご覧ください。