「事務局代行」とは、本来自社の従業員が担当するさまざまな業務を、外部に委託できるサービスのことです。キャンペーンやイベント開催、学会運営など多くのシーンで活用できることから、昨今注目を集めています。本記事では事務局代行の基本と利用のメリット、サービスの選び方などを紹介します。また、記事の最後ではサービス関連資料「BPOサポート」、ホワイトペーパー「国際会議運営４つの成功の秘訣 ～目的達成のために～」を掲載します。事務局代行を考える際の参考になる資料です。ぜひ、ご覧ください。
INDEX
事務局代行とは？
事務局代行を利用する企業は多く、その認知度は高まっています。以下では、事務局代行とはどんなサービスなのか、基本について紹介します。
事務局代行とは？
事務局代行とは、キャンペーンやイベント、セミナーなどの事務局が担当する事務処理業務を委託するサービスのことを指します。本来は従業員が担当していた作業を外部に委託することで、担当者の負担を軽減することができます。
事務局代行の必要性
昨今はイベント開催や各種手続きなど、事務局が担当する業務が増加しています。また、短期間に業務が集中することも多く、特に規模が大きいイベントやキャンペーンを実施する際は、社内の人員だけではリソースが足りない場合があります。そこで事務局代行を利用し、自社内の負担軽減を進める事例も多いです。また、「BPO（ビジネス・プロセス・アウトソーシング）業務」を活用して、事務処理業務の代行にとどまらず、課題解決や抜本的な業務改善のサポートまでを一括で委託することも可能です。BPOの具体的なサービス内容・メリットについては、以下をご覧ください。
企業の皆さまのご負担を業務委託で軽減！「BPO（ビジネス・プロセス・アウトソーシング）業務」（企業・組織団体向け）
事務局代行の種類
事務局代行を利用する際には、委託できる業務の範囲や種類を事前に把握しておくことがポイントです。以下では、事務局代行の種類を紹介します。
01イベント事務局
イベントやセミナーなどに関する業務は、事務局代行に委託できるサービスの1つです。イベント開催に必要な準備のほか、当日の運営もサポートしてもらえます。開催後のアンケート集計やレポート作成など、終わってからの業務を依頼できるのも特徴です。イベントやセミナーを初めて開催する場合や、準備から集計までの作業全般を効率化したい場合には、事務局代行が役立ちます。
02キャンペーン事務局
企業がプレゼントキャンペーンなどの施策を行う時に設置するのがキャンペーン事務局です。事務局代行には、企画したキャンペーンの実現に必要な業務も委託可能です。キャンペーンへの応募者が多いと、それだけ処理に時間と労力がかかるため、キャンペーン事務局代行の利用がおすすめです。事務局代行の提供サービスによっては、キャンペーンの企画考案、応募受付、問合せ対応、プレゼントや景品の準備、発送なども任せられます。
03学会事務局
学会事務局は、研究成果などを共有し、その分野の発展を目指しています。しかしその一方で、学会の運営や、学会員の情報登録や変更、入退会の処理や会計など、学会事務局がやるべきことは多いです。そこで、運営に必要な雑務を事務局代行に依頼することで、研究や講演会といった本来の業務に集中できます。事務局代行のなかには、学会や組織の業務に特化したサービスもあります。以下のサービスでは、学会が行うべき業務をまとめて委託できます。
- サービスの紹介
- JTBの「学会事務局代行サービス」
事務局代行に委託できる業務
事務局代行の利用時には、委託できる具体的な業務内容を事前に把握しておくこともポイントです。以下では、事務局代行に委託可能な業務内容をいくつか紹介します。
01企画の立ち上げ業務
事務局代行は、各種企画の立ち上げ業務も依頼できます。「キャンペーンやイベントを開催したいけれど、まだ中身が固まっていない」という状況でも、事務局代行に作業を委託できます。事務局代行に実績とノウハウがあれば、さまざまなアイデアを提供してもらえます。企画の立ち上げをスムーズに進める目的で、事務局代行を利用することも考えられます。
02ホームページの作成業務
キャンペーンやイベント開催時には、その情報を伝えるホームページ・特設サイトの存在が重要となります。事務局代行に作成を委託することで、専門のページ・サイトを簡単に導入できます。イベント参加者のみが利用できるマイページ機能など、必要なネット環境の整備も依頼可能です。
03受付や問い合わせへの対応業務
キャンペーンやイベント参加の受付や、問い合わせへの対応も委託できます。キャンペーンやイベント参加の申込み時には、メール・電話・SNSといった、さまざまな媒体からの問い合わせが考えられます。まとめて事務局代行に委託することで、スムーズかつ好印象を与える対応が可能です。従業員の業務負担を軽減できるため、キャンペーンやイベントの準備に多くのリソースを割けます。
04必要な機材や備品の手配業務
イベント開催時などに特別な機材が必要な場合には、その手配や設営も事務局代行に任せられます。専門的な機材は、扱い方を理解することが難しいケースもあります。そこで専門知識・技術を持つ事務局代行に委託し、当日の対応もまとめて任せてしまう方法が考えられます。そのほか、企画に必要な機材や備品の選定も、事務局代行に依頼できます。
05レポート作成やアンケート集計などの事後処理
キャンペーンやイベントの実施後は、効果を測るためにアンケートを実施することがあります。アンケートの集計作業や、結果をまとめたレポート作成なども、事務局代行に任せられる業務です。分析スキルを持つ事務局代行に依頼できれば、キャンペーンやイベントの成果を正確に把握し、次の施策に活かすことも考えられます。
事務局代行を利用するメリット
事務局代行を利用することには、さまざまなメリットがあります。以下では、事務局代行の利用によって得られる具体的なメリットを紹介します。
MERIT01専門家による適切なサポートが受けられる
事務局代行は、キャンペーンやイベント開催におけるプロフェッショナルです。プロの技術やノウハウを導入できるため、施策が成功する可能性を高められます。自社に特別なノウハウや施策に適任の人材がいない場合には、事務局代行の利用にメリットがあります。特にキャンペーンやイベント開催時に専門的な知識・技術が必要な場合には、事務局代行の利用がおすすめです。
MERIT02事務局の負担を軽減できる
自社の事務局の負担を軽減し、効率化を図れる点も事務局代行を利用するメリットです。企画立案から受付対応、その後のレポート作成などをすべて自社の人材に任せると、大きな負担となる可能性があります。そこで事務局代行を導入し、業務における負担を分散する方法が考えられます。
MERIT03個人情報の管理・保護が可能
キャンペーンやイベント開催時には、多くの個人情報を収集する結果になります。情報を管理する環境が整っていないと、情報漏洩などのリスクが懸念されます。個人情報の保護を目的として、事務局代行を利用することも考えられます。
キャンペーンやイベント開催を手がける事務局代行では、個人情報を適切に管理するための方法が確立されています。顧客情報が流出するリスクが低下し、安全性を保った状態でキャンペーンやイベントを進められます。
MERIT04自社のリソースを有効に使える
大規模なキャンペーンやイベントを開催する際には、ほかの部署から人員を補充することもあります。しかし、その方法では他業務にかける人員が不足して、事業継続に支障が出る可能性も懸念されます。事務局代行を利用すれば外部から人員を補充できるため、社内のリソースを本来の事業で活用できます。
MERIT05施策の効果を把握しやすくなる
事務局代行は、先に紹介したようにレポート作成やアンケート集計なども請け負ってくれます。施策を振り返り、具体的な効果を把握しやすくなる点もメリットの1つです。キャンペーンやイベントは、肌感覚だけで成否を判断できません。アンケートなどで実際に利用者の声を聞き、意見を取り入れていく姿勢が重要です。
事務局代行を利用するデメリット
社内にノウハウが蓄積されない
事務局代行を利用すると、本来自社の従業員が経験するはずの業務を経験できない点がデメリットです。従業員が業務を経験できないと社内にノウハウが蓄積されず、内製化が難しくなる可能性があります。将来的に内製化を目指す場合には、事務局業務をマニュアル化して共有したり、積極的に事務局代行とコミュニケーションを取って、作業ノウハウを獲得することが必要です。
コスト増大の可能性
事務局代行の費用は、委託する業務内容・範囲・種類・規模・期間などによって変わるため事前に見積もりを取り、費用の目安を確認することが重要です。またコストの増大に注意が必要です。事前に委託する業務範囲を明確にしておかないと、想定以上のコストがかかる可能性があります。
自社の従業員でまかなう領域と、委託する領域を事前に設定し、コストを抑えるのが重要です。作業領域を上手く分けられないときには、事務局代行のサービス提供会社と相談して業務体制を整備するのがおすすめです。
事務局代行を選ぶ際のポイント
業務を委託する事務局代行を選ぶ際には、チェックしておきたいポイントがあります。以下では、事務局代行選びにおけるポイントを紹介します。
POINT01事務局代行として実績があるか
事務局代行として多くの実績を持つサービス提供会社を選ぶことが、1つの基準です。ホームページ等で確認し、自社が依頼したい業務分野に強いかどうか、チェックします。初めて事務局代行を利用する場合は不安になることも多いですが、実績が多い会社ほどノウハウがあり、臨機応変な支援が期待できます。
POINT02必要な業務に対応可能か
事務局代行サービスによって、対応できる業務範囲や種類は変わります。事前に対応可能な業務範囲を確認し、自社のニーズを満たせるかチェックすることも選択のポイントです。
POINT03セキュリティ対策は十分か
事務局の業務では、さまざまな個人情報を取り扱うことが想定されるため、セキュリティ対策は重要です。情報の取り扱いにはルールを設け、個人情報の扱いに慣れている事務局代行を選定する必要があります。その際、プライバシーマークやISMS認証マークを取得しているかは、判断材料の一つになります。
事務局代行を利用した具体例
事務局代行を利用するのなら、具体的な事例の確認がおすすめです。以下では、事務局代行を利用した実際の事例を紹介します。
01 金融機関A社 様 電子クーポンで旅をプレゼント！アウターキャンペーンでJTBホームページクーポンを活用
JTBホームページクーポンは、JTBのホームページで利用できるお客様限定の「割引電子クーポン」サービスです。コロナ禍によって、Web経由の旅行申込みが増えていることを背景に誕生しました。金融機関A社様は、新規顧客の増加を目指して、キャンペーンの当選者に県内の有名旅館を堪能できるプランの実施を検討していました。
しかし、通常の旅行券を提供する形では、目的となる県内の経済活性化への寄与や、厳選した旅館の利用に限定するといった施策の実現が難しいことが判明。そこでJTBホームページクーポンを活用し、宿泊施設の限定やWeb管理によるデータ把握などを実践しました。
コロナ禍で対面接客が控えられている背景において、ホームページだけで完結できるサービスの提供には多くのメリットがあります。このスキームは、汎用性の高さから、インセンティブや福利厚生などのインナーキャンペーンにも活用できます。
02 公益社団法人 日本小児科学会 様 BPO（ビジネス・プロセス・アウトソーシング）で、小児科専門医制度に関わる資格認定更新審査業務等の負担を軽減！
公益社団法人日本小児科学会様が、小児科専門医制度に関わる資格認定更新審査業務などを、2022年3月から5か年に渡ってJTBに業務委託した事例です。旧委託先は紙ベースで対応していたため、データのデジタル化ができておらず、作業の全容が把握できていない点が1つの課題でした。
そこでJTBのBPOを活用して、さまざまな問い合わせ業務やマニュアル作成をするための、専任スタッフとヘルプ要員を確保しました。業務の負担を大幅に軽減することに成功し、今後は改善点の洗い出しやWebを中心とした体制構築を目指しています。
まとめ
キャンペーンやイベントの開催、学会運営などには多くのタスクが存在します。社内のリソースだけですべてのタスクを処理するのではなく、事務局代行サービスをうまく活用して、効率化や負担軽減を進めることがポイントです。特にキャンペーンやイベントなどのノウハウがまだ社内にない場合には、外部に委託して専門スキルを活用することには大きなメリットがあります。
この機会に事務局代行の基本とメリットを確認し、具体的な導入計画の立案をしてみてはいかがでしょうか？事務局代行およびBPOのサポートは、企業に多くの利益をもたらします。まずは外部委託サービスの基本を把握するために、以下の資料をぜひご覧ください。
ホワイトペーパー（お役立ち資料）国際会議運営４つの成功の秘訣 ～目的達成のために～
