社内イベントを成功させるためには、ポイントをおさえた準備が不可欠です。適切な準備を進めるためには、目的の明確化など、さまざまなプロセスを踏まなければなりません。本記事では、イベントを企画する担当者に向けて、社内イベント実施のメリット、成功させるための注意点、おすすめの社内イベントなどをご紹介します。ぜひ貴社の社内イベントの企画にお役立てください。
INDEX
- 社内イベントの現状
- 社内イベントを行う3つのメリット
- 社内イベント実施までの6つの手順
- 社内イベントを成功させるための5つのポイント
- 多くの社員が参加できるおすすめ社内イベント
- コミュニケーションを活性化できるおすすめ社内イベント
- 経営理念を共有できる社内イベント
- モチベーションを上げる社内イベント
- まとめ
社内イベントの現状
産労総合研究所の「2020年社内イベント・社員旅行等に関する調査」によれば、社内イベントの実施率は「業務関連99.4%」「余暇・レク64.0%」と比較的高い数値であることが分かります。
参考:「2020年 社内イベント・社員旅行等に関する調査」|産労総合研究所
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、イベントを自粛する企業も増えていますが、実施している企業も数多くあります。大きな特徴としては、オンラインで開催する企業が多いということです。オンラインであれば、3密を避けつつイベントを開催できるためです。
社内イベントが求められる背景
社内イベントが求められる背景としては、大きく2つあります。1つ目は、コロナ禍においてテレワークが進み、社員同士のコミュニケーション機会が減ったこと。そして、2つ目は、企業(経営層)と社員のコミュニケーション機会が減ったことで、企業理念やビジョン、行動指針、営業戦略といった組織として大事にすべきことが伝わりづらくなったということです。
これからの時代に企業として成果を出すためには、経営方針や戦略を社員全員が理解・共感するとともに、「個」を組織の力にするために、チームメンバーが理解し合う(コミュニケーションを取る)必要があります。
もちろん、コミュニケーションを行う場合は、ただ話し合いの時間を設けるだけでは不十分です。お互いの考えや価値観を知る時間、多様性を受け入れ、認め合う時間にすることが重要です。コミュニケーションの定義も時代によって変化しています。
社内イベントを行う3つのメリット
このような背景から、社内イベントの重要性が増しています。ここでは改めて社内イベントを行う3つのメリットをご紹介します。
社員間のコミュニケーションを活性化できる
社内イベントを行うことで、社員間のコミュニケーションを活性化できます。コミュニケーションが活性化すると組織の風通しが良くなり、結果として生産性の向上につながります。また業務で関わらない他部署との連帯が生まれるというメリットもあります。
社員のモチベーションを上げる
コミュニケーション不足が発生すると、社員のモチベーション低下が起こります。コミュニケーション不足は報告・連絡・相談をしづらい環境を作り出し、それにより行き違いや無駄な作業が増えます。これがモチベーションの低下につながります。
経営理念を共有できる
コロナ禍でテレワークが増えたことにより、会社への帰属意識が低下したと言われています。社内イベントは、社員同士のコミュニケーションだけでなく、経営陣の思いを直接伝える場としても有効です。社内イベントを通して経営理念への理解を深めることで、会社へのエンゲージメントが高まり、定着率の向上にもつながります。
社内イベント実施までの6つの手順
社内イベントを実施するためには、目的の明確化など、いくつかの手順を踏む必要があります。ここでは、社内イベント実施までの6つの手順をご紹介します。
01目的を明確にする
最初にやるべきことは、社内イベントの目的の明確化です。「何のために社内イベントを行うのか?」「イベント終了後にどうなっていたらいいのか?」を設定し、それを基に企画を考えていきます。
02運営メンバーを決める
社内イベントの運営メンバーを選定します。選定にあたっては、なるべく多様な人財をセレクトするのがポイントです。特定の部署に偏らないように調整し、社歴や職種など、さまざまななメンバーを選びます。人事・総務・広報など、各部署と普段から関わりのある部署のメンバーを入れるのも効果的です。このように多様な人財を運営メンバーにすること自体が社内コミュニケーションの機会になります。また、さまざまな運営メンバーがいれば、多角的な視点で企画を立案できます。それぞれのメンバーの目線で企画を立てられるため、より多くの社員に喜ばれるイベントにできます。
03企画の内容を決める
目的と運営メンバーを決めたら、次に企画の内容を考えます。ここで気をつけておきたいのは、定めた目的に沿った企画にすることです。一見面白そうな企画でも、目的を達成できなければ意味がありません。あくまでも目的から考えるのが重要です。
04実施日を決める
企画の内容が決まったら、社内イベントの実施日を決めます。実施日を考える際に意識しておきたいのは、社内の仕事の繁閑と準備に必要な期間です。それぞれの部署の繁忙期は避けるなど、業務との兼ね合いを考えることで、社員も無理なくイベントに参加できます。
05会場・物品の準備をする
企画内容とイベントの実施日が決まったら、実際に準備を始めていきます。会場は早めに決めておき、すぐに予約を済ませることで、不要なトラブルを避けられます。物品をリストアップしておき、購入後の置き場所も確保しておきます。
06社員に告知をする
会場の予約が完了したら、最後に社員への告知です。社内イントラやメールでイベントを周知します。業務で忙しく、告知を見逃してしまうことを念頭に置き、複数回にわたって知らせると良いでしょう。
社内イベントを成功させるための5つのポイント
社内イベントを成功させるためには、いくつかのポイントがあります。ここでは5つに分けて、その注意点をご紹介します。
会場は必ず下見する
会場の下見はとても重要です。会場の予約をする段階で、複数の場所を下見しておくと、比較検討がしやすくなります。予約が取れなかった場合も迅速に対応できるため、非常に有益です。会場を下見する際は、会場の最寄り駅からの導線も確認しておくと良いでしょう。
社員への告知を工夫する
社内イベントを行う際は、できるだけ多くの社員に参加してもらう必要があります。社員への告知を工夫すれば、全員に情報が行き渡り、イベントの参加率も向上します。メールや社内イントラ、広報誌、チャットなどを利用し、複数回にわたって案内するのが効果的です。
休日に行う場合は振替休日などを検討する
業務との兼ね合いで、休日に社内イベントを行うケースも多いです。その場合は、振替休日などを検討する必要があります。イベントが強制参加か任意参加かにもよりますが、「休日に会社に拘束される」対価を考えます。
3密を回避する
新型コロナウイルス感染症の拡大により、社内イベントにもさまざまな影響が出ています。会場を選ぶ際は、換気できる場所を選び、密にならないスペースを確保するのが重要です。
コストはかかりますが、検温やアルコール消毒などの準備も必要です。社員が安心してイベントに参加できる環境を整えれば、参加率も向上するでしょう。
社内で対応が難しいと感じたら早めにプロに相談する
社内イベントの準備で本来の業務に支障が出たり、当日にアクシデントが発生したりと、自社だけでは対応が難しい場合もあります。社内イベントをサポートする会社に依頼すれば、安心して本来の業務とイベントを両立できます。
多くの社員が参加できるおすすめ社内イベント
ここからは社内イベントのおすすめ企画をいくつかご紹介します。まずは多くの社員が参加できる社内イベントです。コロナ禍において、多くの社員が参加できるイベントとして、ニーズが高まっているのがオンラインイベントです。オンラインイベントは場所を問わず参加できるため、全国の拠点から参加するなど多くの社員が参加できます。ここで、オンラインで行うおすすめの社内イベントを紹介します。
オンラインランチ会
オンラインランチ会は、その名前の通りオンラインで開催するランチ会です。子育て中の社員など、夜は予定が入っているという人でも気軽に参加できます。他愛のない話が息抜きになり、コミュニケーションの促進や、社員のストレス発散に繋がります。
オンライン謎解き・脱出ゲーム
謎解きや脱出ゲームは、オフラインで行うイメージが強いですが、オンラインでも開催できます。
謎解きや脱出ゲームは、知識ではなく「ひらめき」を必要とするゲームです。チームで協力して謎を解いたり、脱出の手がかりを探したりするので、参加者同士のコミュニケーション活性化に最適です。チームビルディングにも有効なため、導入する企業が増えています。
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オンライン旅行
コロナ禍では、従来のように社員旅行を楽しむことが難しくなりました。しかし、ライブ中継で旅行先の様子を配信するオンライン旅行なら社員全員で楽しむことも可能です。
オンライン旅行は、ガイドの解説で、実際に旅行に行く気分が味わえるのが大きな魅力です。現地の名物など、事前に参加者に配達しておいて、一緒に楽しむという方法もあります。オンラインは場所を問わないので、気軽に世界旅行を楽しめます。
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コミュニケーションを活性化できるおすすめ社内イベント
次に、コミュニケーションの活性化におすすめの社内イベントを3つ紹介します。
ファミリーデー
ファミリーデーは、社員の家族をオフィスに招待するイベントです。子どもの夏休みや休日を使って開催されることが多く、社員間のコミュニケーションだけでなく家族の理解も深められる貴重なイベントです。
グランピング
グランピングとは、グラマラス(優雅な)とキャンピングを掛け合わせた造語で、テント設営や食事の準備などの煩わしさから参加者を解放した「良い所取りの自然体験」を指します。本格的なキャンプを実施するとなると、食事からテント設置まで、とても手間がかかります。
グランピングであれば、昼間は食事を楽しみ、夜はゆっくりと休息が取れます。アウトドアがあまり得意でない人や、女性社員でも参加しやすいイベントです。
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運動会
運動会を実施する会社も数多くあります。社員が集まって1つの物事に集中することで、一体感を醸成できます。ファミリーデーと同じく家族の参加も可能なため、社員間のコミュニケーションに限らず、さまざまなメリットがあります。またコロナ禍においてはオンライン運動会も数多く開催されています。
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経営理念を共有できる社内イベント
社内イベントを通して経営理念を共有するのも重要です。ここでは社内イベントの中でも、特に経営理念の共有を軸にしたものを3つ紹介します。
社員総会
社員総会では、ミッションの共有だけでなく、社員紹介やチームビルディングなどの企画も盛り込むことができます。社員全員が、楽しみながら経営理念について理解を深め、共感できるようなイベントにするのがポイントです。
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周年イベント
会社が大きな節目の年を迎える場合は、周年イベントの開催がおすすめです。社員への感謝を表しつつ、社長自ら思いや考えを語り掛けることで、改めて経営理念を共有することができます。家族の参加も可能にすれば、家族のエンゲージメントを高める機会にもなります。
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研修合宿
研修合宿も有用な社内イベントです。新人教育で用いられることが多いですが、社員のスキルアップや、経営理念の浸透にも効果的です。研修合宿は、社業から離れ、集中できるところが最大のメリットです。
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モチベーションを上げる社内イベント
組織として大きな力を持つためには、社員のモチベーションが非常に大切です。ここでは社員のモチベーションを高める社内イベントを2つ紹介します。
社内表彰式
社内表彰式は、営業成績や永年勤続、新規事業開発など会社に貢献した社員を表彰するためのイベントです。表彰された社員は、会社への帰属意識が高まり、より高いモチベーションを維持できます。また受賞者以外の社員にも「次こそは自分が」という意識を生み出すことができます。
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自己啓発・スキルアップセミナー
自己啓発・スキルアップセミナーは、自社で実施する社員向けのセミナーです。研修とは違い任意参加にする企業が多いようです。セミナーを通してスキルアップできるのはもちろん、社員の学習意欲を刺激し、新たな学びを獲得するのに役立ちます。学習意欲や自己成長意欲の醸成は、仕事へのモチベーション向上にも繋がります。
まとめ
コロナ禍は、テレワークなどの働きやすい環境の整備や多様性を認め合う風土など、働く社員にとって多くのメリットをもたらしました。一方で、社員間のコミュニケーション機会の減少や会社への帰属意識の低下などの課題も出てきました。
このような課題の解決のために有効なのが社内イベントです。数年前までは社員旅行や懇親会などを実施していたものの参加者が減り、しばらく実施していなかった企業でも社内イベントを検討し始めています。コロナ禍でも社内イベントは数多く開催されています。社内イベントは、コミュニケーションの活性化や経営理念の共有、モチベーションの向上など多くの効果があります。昨今ではオンラインイベントも増えており、社内イベントも進化しています。この機会に、貴社でも社内イベントの実施を検討してみてはいかがでしょうか。
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